ステファン・ペテランセルは、このような状況下をものともせず、スリップするニッサン・ピックアップの全輪を確実にコントロールし、この区間中最もダイナミックなドライビングを見せた。ペテランセルは１５分のリードを得て一時はトップに立ったものの、後からスタートしたスペインから出場のフェルナンド・ジル/ラファエル・トルナベル組のセアト・コルドバとミゲル・プリート/ヤチント・ビダルテ組のミツビシ・パジェロに抜かれてしまう。

最終的にこのスペシャル･ステージで３位となったステファン･ペテランセル/ジャン・ポール・コトレ組はこのような好調な出だしは全く予期していなかった。「ドライビングは最高に楽しいね。泥の中でスタックして大幅にタイム･ロスしないか、ということだけが心配だよ。すごくスリッピーで僕は楽しいんだけど・・・、スタートの時は結構ストレスがかかってたのは認めざるを得ないね。」

ベルギー人ドライバー、グレゴワール・デメビウスは、ジャン・ルイス・シュレッサーのルノー・カングーがスピンしたのを間一髪でかわしたことに満足している。「接触するのを避けただけでなく、フロント・ガラスが泥をたくさんかぶってしまうのを避けて、視界を塞げずにすんだ。」グレゴワール・デメビウス/アラン・ゲェネック組のニッサン・ピックアップは９位。

ティエリー・ドラベルニュ/ジャッキー・デュボワ組はシフト・ミスの後、ショート･ストレートで彼らのテラノがエンストし、肝を冷やした。運の良いことに、プロダクション・カテゴリーのドライバーが影響を被ることはなかった。「タイヤがすごくホイールスピンしたんだ。このステージをきれいに出て行くのが難しいね。」という彼らは、スペシャル・ステージを３３位で終えた。

さて、ジョニー・アリデーは初めての泥でぬかるんだコンディションの中、どう格闘したのだろうか。「すごくうまかったよ」とルネ・メッジ。「このコースには全く向かないタイヤだったけど、ジョニーは僕の指示に的確に従って、危険を冒すことなく、立派に役をこなしたよ。僕のドライバーは最高だよ」。ジョニーはメッジのコメントを謙遜して認め、「このコンディションでドライブするのは難しいけど、僕は一分一秒無駄にすることなく学習しているからね。」とコメント。

ジョニーとルネは総合７９位となった。雨の中、アラスからシャトールーまでの長旅を終えたものの、まだまだ先は長い。

ナルボンヌからマドリードまでのセカンド･ステージでは、天候は回復する模様。ここから先の全く種類の違う全長３６ｋｍのスペシャル･ステージを前に、チームはラストゥール地方のドマーニュ・ド・シャトーで一旦休止する。