SUPER GTで日産は何故かずっとSUGOでは勝てなかった。そしてやっと勝った2009年以降は、毎年予選はフロントローだしレースでも勝てる位置を走っているのだが、今年を含めてこの4年間で優勝は1回のみである。それをもって「SUGOには魔物が棲む」と言われる。
しかし今年は1号車(REITO MOLA GT-R)、18号車、38号車、39号車、100号車と3メーカーに対して等しく魔物が牙を剥いた。個々のクルマやドライバーを応援しているファンにとっては残念だったかもしれないが、接近戦でトップ争いする4台が一瞬にして脱落するというレースは前代未聞の面白いレースであった。
1号車はポールポジションからスタートして関口選手はトップを維持したが、ピットインで39号車、38号車に1位を奪われた。本山選手はそれを奪回するべく、10年振りくらいに見るファイティングスピリット溢れる走りでファンを魅了したが接触事故もあり7位に終わった。
23号車(MOTUL AUTECH GT-R)はフロントロー確実と意気込んで予選に臨んだが、タイミングを逸してまさかの11位。そこから諦めない走りと運も重なり最終的には3位表彰台であった。実は柳田選手、クインタレッリ選手のコンビは昨年も前半戦は苦戦しておりこのSUGOで3位をゲットしてから怒涛のチャンピオン街道を突き進んだのである。今年もそういう風に流れが変わるきっかけとなればと念じている。
24号車(D’station ADVAN GT-R)は今シーズン初のポイントゲットの5位。前半戦は苦しい戦いを強いられてきたが予選も9位だったので後半戦での活躍が期待できる内容であった。序盤は安田選手が23号車のクインタレッリ選手と競り合い、結果として23号車はフロントタイヤを酷使してしまい早めのピットインを強いられたが、フェアな良い戦いであった。
12号車(Calsonic IMPUL GT-R)はシリーズポイント2位のハンディウエイトと決勝を踏まえたタイヤ選択の影響で予選は14位と沈んだが、決勝が大いに期待された。しかしパワートレインと思われるトラブルで早期にリタイヤに追い込まれた。しかし依然としてポイント差4点のシリーズ3位であるので、得意とする次戦鈴鹿1000kmに期待したい。
GT300クラスの3号車(S ROAD NDDP GT-R)は予選5位だったが、上位4台はいずれもJAF GT規定車両でGT3の中ではトップであった。しかし決勝はペナルティなどもあり9位で終わった。総合力は有る筈なので今後もっと上位での活躍を期待したい。

このSUGOでは若手ドライバーの活躍が目立った。1号車の関口選手、3号車の佐々木選手、24号車の安田選手は、速さを示しながらミスもなく自分の役割をきちんと果たしたのでそれぞれに☆二つ。
そして48号車の千代選手は体制の実力を超える抜群の速さと安定性を発揮したので、☆三つである。
PAGETOP