Vol.4 - 2013.7.29

菅生の魔物、出現!

皆さん、こんにちは!
SUPER GT第4戦菅生、いつも変わらぬ暖かい声援ありがとうございました。Sepang戦から一ヶ月以上間隔が空いているので、私たちにとっても楽しみなレースでした。しかしながら、まだ梅雨明けしていない菅生。天候の予想も難しく、誰もが菅生に宿る魔物が現れる予感を持ちながら、サーキット入りをしたのではないでしょうか。。。

土曜日の予選は、またもや23号車は全く歯車が合わない状況に陥ってしまいました。Q1をドライブした柳田くんは、「前方を走るマシンに引っかかってしまい、タイヤのピークをうまく使うことができなかった。マシンが悪いとか、そういうことは全くなく、自分の責任だ」と話していました。しかし、柳田くんは「レースで必ず挽回する」と約束をしてくれました。

そして、予選後のかわいい子供たちが並んでくれるキッズウォークでは辛い顔は見せられないし、反省とともに前へ進まなくては何も始まらないので、とにかく明日の決勝ではチーム員みんなの力を合わせ、一つ一つ前に出て行こう、と気持ちを入れ替えました。

そんな23号車とは反対に、Q1は1号車の関口くんがトップタイムで1位通過。そして、Q2では本山さんがコースレコードをたたき出し、見事ポールポジションを獲得しました!本山さんも関口くんも、パーフェクトで誰も寄せ付けないような力強い走りでした。

本山さんは今年からNISMOチームを離れ、MOLAチームでドライブすることになりましたが、ずっと長い間一緒に戦ってきた仲間なので、素直にとても嬉しかったです。正直、23号車がQ1で敗退しているので、1号車に先を越されてしまうのは悔しい気持ちが先立つかな、とも思いましたが、今まで本山さんがしてきた苦労や、一緒に戦いながら一喜一憂してきたことなどが走馬灯のように頭を巡り、自分が思っていた以上に感動してしまいました。 その興奮のあまり、空気の読めないタイミングで本山さんのところに私が駆け寄ってしまったところがモニターに映ってしまったようで、反省しています。。。

そして、決勝レース。皆さんご存知の通り、「魔物の仕業」という言葉では片付けられないほどの、稀に見る荒れたレース展開となりました。 今までの天気はいったい何だったの?というくらい暑いグリッドでした。しかし、レースが始まる頃にはまた雲行きも怪しくなり、全く先は読めない空模様でした。 スタートは少し詰まった形ではありましたが、接触などはなくキレイに決まり、1号車をドライブする関口くんは、うまく後方を迫る39号車を押さえながら、トップを走り続けました。GT500デビューイヤーとは思えない、オーラがある走りだったと思います。

そして、39号車と同時に入ったピットストップで39号車に交わされ、ドライバーチェンジをした本山さんは、その後も観衆を沸かせる38号車との激しいバトルを繰り広げるも、そのバトルでの接触により、トップ争いから戦線離脱を余儀無くされました。結果的には残念ではありましたが、本山さんの熱い思いが滲み出ていた走りだったと思います。そして、立川さんとのバトルは本当に素晴らしく、これぞ「レース」という感じでした。

23号車のスタートはロニー。グリッドでは、ロニーはまた少しナーバスになっているように見えました。スタート後、前方のマシンは速いスピードで逃げる中、抜きにくい菅生で、24号車をパスするまでに数周かかってしまいましたが、パスした後はコンスタントに走り続け、30周でピットインし、柳田くんにチェンジ。

23号車は後方からのスタートだったので、初めから早めのピットインをする作戦でした。そしてピットワークはパーフェクト!左右のタイヤ交換のタイミングはバッチリで、右タイヤ交換を担当する島本くんのガッツポーズが見えました。

そして終盤、また雨が降り出しました。とはいえ、レインタイヤに履き替えるほどの雨量でもなく、かなりエンジニアにとっても判断が難しい状況でした。そしてトップ集団が次々とコースアウトをし脱落する中、我慢の走りを続けた23号車は3位表彰台まで這い上がることが出来ました。最終的にトップまで約5秒差でチェッカー。優勝も見えていただけに、少し複雑ではありましたが、脱落するマシンが続出する状況下、無事に、そして3位という結果でレースを終えることが出来たことは、予選の順位を考えてもベストな結果だったと思います。それに、決勝で予選の失敗を挽回するという約束を柳田くんは守ってくれました。

最後に、チーム員にとっても、ドライバーにとっても、この表彰台は今までの悪い流れを止めるいいきっかけになったと思います。そして、鈴鹿1000kmでは、マシンも更に進化させ、NISMOチームそして優勝を待たせてしまっているファンの皆さんと共に喜びを分かち合えるよう、精一杯努力していきたいと思います。

応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました!!

また灼熱の鈴鹿でお会いしましょう。