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モータースポーツ

2016.08.03

第7回 ベルギー スパ

ニュルのレースの後は少し間が空きましたが、イギリスでゆっくりしていたわけではなく、実は日本に帰ってきていました。もう発表されてもいますが、SUPER GT GT300クラスに参戦することになったので、DIJON Racingでシート合わせをするためです。久しぶりのSUPER GTですし、去年の富士のリベンジもあり、テンションが高くなってシート合わせのために帰ってきちゃってました。(笑)3号車と一樹さんは第2戦でリベンジを果たしているので僕も続きたいですね~。なので今週の富士ラウンドは是非現地で応援してください。

さて今回は伝統のレース、スパ24時間。
僕にとってはスパでレースをするのも初めてだし、24時間レースも初めてでした。

一番長くてもスーパー耐久で走った夏の富士の7時間だったので、いきなり3倍以上のレースになるということで想像すらできていませんでしたが、逆に過酷すぎて想像しない方が良いというアドバイスもあったので…(笑)いつものようにリラックスして平常心を心がけて挑むようにしました。

スパのレースウィークはとても長くて、1週間もサーキットにいます。

月曜日にスパ入り。
火曜日にブロンズテスト。
水曜日にパレードとドライバーズブリーフィング。
木曜日にプラクティス1、2と予選と夜予選。
金曜日にスーパーポール。
土曜日から決勝。
という流れでした。

火曜日のブロンズテストというのはFIAからドライバーに割り振られるランク分けにしたテストで、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナとありその中のブロンズドライバーだけのテストです。なのでジェントルマンドライバー用のテストということです。ちなみに23号車のドライバーは3人ともゴールドなので走ることはできず、実質水曜日のイベントからでした。

水曜日のパレードは、サーキットからスパの街まで20分ぐらいあるのですが、一般道を封鎖してパレードを行い、スパの街に車を並べてファンサービスやメディアの対応をするイベント。もうとにかく人だらけという感じです。普段はすごく静かでまったりできる街なのですが、人混みで歩けないような状態にまでなっていました。もう街全体でレースを盛り上げるような印象で、モータースポーツの人気が高いように思え、日本との違いを感じました。ファンの方で、僕の日本での写真を持ってきてくれたり、去年の3号車のEBBROのミニカーまで持っている人もいて、SUPER GTの人気もあるんだと嬉しくなりました。その後はドライバーズブリーフィング。これもスパの街にある大きいホールで行われ、レースの歴史、偉大さを肌で感じました。

木曜日からはいよいよ走行です。
エンデュアランスはいつもアレックスが予選を担当するのですが、今回はルーカスが担当するということが決まっていたので、ルーカスをメインに練習走行が始まりました。最近の課題は予選でもあったので、チームも何か変わるきっかけが欲しかったことでの決断だったのでしょう。2人とも速いので僕的にはどっちが予選を行ってもいいのですが(笑)。

プラクティスで見つかった課題は、オールージュで車が跳ねることと、コーナーミッドでアンダーが出てしまうことでした。2回の走行で少し改善はしていましたが、ピタッとハマるようなものは見つけられず予選に行きました。

結果は41位。ルーカスが言うには、車のバランスは良いがホームストレートでタイムを見ると思っているようなタイムが出ない。夜予選でも23位までしか上がらず、結局総合で44位となってしまいました。FCY(フルコースイエロー)や赤旗もあったので、運がなかったのかなと思っています。それがなくても30何位くらいだったと思うのでトップとは程遠いものとなってしまいました。

金曜日のスーパーポールは木曜日の上位20位までによる予選だったので、23号車は見学となってしまいました。スーパーポールに残る車はすごいですね。自分たちが残っていない悔しさもあり心境的には複雑でしたが、チームミーティングでも「レースは24時間と長いので気持ちを切り替えて挑もう」と話があり、フォーカスはレースに移っていました。

土曜日には朝一でウォームアップ走行があり、僕が走りましたが、ガソリン満タンで17位と感触的には良く、他と比較はできないのですが、22号車がガソリンが軽くて同タイムだったことを考慮するとレースは良いのかなと思っていました。

いよいよレース。
スタートはルーカス。気持ち的には未知の世界へLet's Goです。

午後4:30からスタートして序盤は大きなポディションアップはなかったですが、それでもピットで稼いでいたのもあり35位前後までは上がりました。自分のスティントでも、ブレーキパットや燃料のセーブもあり、どこまでペースを上げれば良いのか手探りだったのですが、スティントごとにエンドレスの方と相談しながらペースを掴んでいくことができました。

夜になる頃には、車のポテンシャルが上がってくると同時に僕のポテンシャルも上がってきて26位まで上がり、次のアレックスが20位まで上がってくれて、トラブルが起きなければ去年の順位を超えられると思っていた矢先でした。ブレーキランプが点かなくなってしまいピットイン。修理してピットを出ましたが、今度はブレーキトラブルで再度ピットインしなくてはならず戦線離脱のようになってしまいました。

その頃コース上は雨が降り始め、慌ただしくなっていました。修理も終わり、僕がレインタイヤを履きコースに復帰。正直、スパの雨はめちゃくちゃ前が見えず怖かったです。雨も強かったのでウォータースクリーンとバックストレートでのハイドロがすごくて、格闘していました。(汗)ペースは遅かったですが、攻めてここで壊しても、という葛藤と、24時間レースの難しさを実感。僕のスティントも終わりに近づき、ピットに入る入らないとやり取りをしている時に事件は起きました。残り3時間くらいの時にホームストレートでギアボックストラブルで止まってしまいました。幸い、ストレート上であったため回収は早かったのですが、重い一撃をくらったような絶望感…。もうリタイヤかなとも思いましたが、メカニックが1時間で修理してくれ再度コースに復帰することができました。最後はアレックスとルーカスが走って、ラストにまた雨と荒れましたが、チェッカーを受けてくれました。結局予選と同じ44位でした。

なんというか、これが24時間レースの洗礼というのでしょうか…。トラブルが1回起きてしまうと連鎖してきてしまいました。他車との接触もなく追い上げていて、残り7時間では20位まで来ていたので、このままの勢いで、と思っていたので残念です。でも、24時間レースをしたことで、ドライバーとしても素晴らしい経験をしたと思うので、また成長できたかなと思います。真夜中の走行も悪くなかったと思うので、それについても収穫でした。日本人にとって24時間レースは毎年経験できるものではないので、次にいつこの機会があるかはわかりませんが、またチャンスがあればリベンジしたいです。来年?(笑)

今回もたくさんの応援ありがとうございました。SNSでの応援もちゃんと見てました。今回はこのような結果になってしまいましたが、ブランパンGTシリーズはまだ終わりではないので、ここから巻き返していきたいと思います。

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