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GT500 class 決勝レポート
「カルソニックIMPUL Z」がZで堂々の初優勝
「ザナヴィ ニスモZ」の本山/ライアンがシリーズチャンピオンに決定
JGTC第7戦 SUZUKA GT 300km 決勝レポート
11月21日、鈴鹿サーキット(三重県)
 
11月21日(日)、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにおいて全日本GT選手権(JGTC)最終戦の「SUZUKA GT 300kmレース」が行われ、予選3位の#12「カルソニックIMPUL Z」(ブノワ・トレルイエ/井出有治組)が今季初の総合優勝を決めた。また、シリーズポイント首位でこのレースに臨んだ#1「ザナヴィ ニスモZ」の本山哲/リチャード・ライアン組は、120kgのハンディウェイトながら予選11位からスタートして7位でゴール。ポイントを追加して本年のJGTCドライバーズチャンピオンに輝いた。前戦の第6戦オートポリスで既にJGTCチーム優勝を決めていたニスモは、ドライバー部門・チーム部門の両方でチャンピオンを獲得し、ニューカーのデビューイヤーに04シリーズを完全制覇することとなった。予選2位からレースをスタートした#3「G’ZOX・SSR・ハセミZ」(金石年弘/エリック・コマス組)も3位表彰台を獲得。なお、スタート直後の混乱に巻き込まれてコースアウトした予選6位の#22「モチュール・ピットワークZ」(影山正美/ミハエル・クルム組)は、電気系統のトラブルにより、レース中盤にリタイヤとなった。

3万6500人の観衆が見守る中、52周の決勝レースは、午後2時にフォーメーションラップがスタート。オープニングラップの第1コーナーでは数台が絡み、そのうち何台かがコースアウトする混乱があった。
トップグループの#3 Z(エリック・コマス)と#12 Z(ブノワ・トレルイエ)はこれに巻き込まれず、#36スープラを追っていち早くS字コーナーに向かっていった。2台のZはそれぞれに前に出るチャンスをうかがい、一進一退の展開を繰り広げながら、レースをリードする#36スープラを追い続けた。24周目に#12 Zがドライバー交代のためにピットインし、続いて25周目に#36スープラがピットに入った。1周早くタイヤを暖めていた#12 Zは、#36のアウトラップを捉えて前に出ると、新たなレースリーダーとなった。一方、27周目にピットインした#3 Zは、3位でレース終盤を戦うこととなった。#12 Zの後半を担当した井出は、#36の猛追を振り切り、52周目のフィニッシュラインをトップで駆け抜けた。#3 Zの金石も危なげない走りで後続との差を広げ、今季2度目の表彰台を獲得した。

一方、スタートの混乱を上手く避け、4台抜きの7位で1周目のコントロールラインを越えた#1 Zの本山哲は、重量ハンデの軽い#35スープラに追いつかれ、10周目に7位を明け渡してしまう。
しかし、本山はレース前の宣言どおり、焦ることなく周回を重ね、そのままのポジションを維持して23周目にピットインした。コースに戻ったライアンは、チャンピオン争いのライバルである#39スープラを後ろに従えて後半スティントを手堅く走行した。特に終盤は、何度も#39スープラに詰め寄られたがライアンはこれを完全に封じ込め、45周目には先行する#35スープラを抜き返して7位に。最後まで#39にポジション逆転の隙を与えず、そのままチェッカーフラッグを受けて、自力でのチャンピオン獲得を決めた。オープニングラップのアクシデントに巻き込まれてしまった影山の#22 Zは、第1コーナーで他車と接触。ボディ左側を損傷し、さらにグラベルベッドに押しやられて大幅にタイムロスした。脱出した影山は、下位から猛烈に追い上げを行い、23周目にピットインした時点での順位は17位であった。交代したクルムは、15位にまでポジションアップしたが、エンジンのミスファイアが発生して33周目に予定外のピットイン。ガレージにクルマを入れ、そのままリタイヤとなった。


ニスモ出川監督
「#1のドライバーコンビは本当に良くやってくれました。監督就任一年目でこの結果は非常に光栄です。ドライバーのほかにも、エンジニアやメカニック、チームのメンバー全員が一生懸命努力した結果です。シーズンを通じて、新車のZは速さをお見せできたと思いますが、シーズン序盤は予想外のトラブルに悩んだりして、結構苦労しました。チーム優勝もいただけたので、これ以上はない喜びです。GTファンの皆さん、日産ファンの皆さんに心から感謝します。一年間、どうもありがとうございました」

#1 本山哲
「皆さん、一年間応援してくださって、ありがとうございました。今年は、どうしても勝ちたかった開幕戦のTIを勝てたのが大きな収穫。あれでチャンピオンシップを組み立てていくのが楽になりました。菅生の新車特有のトラブルは仕方ないし、十勝のクラッシュとリタイヤはちょっともったいないと思いましたが、オートポリスで勝てて本当に良かった。実は今週は不安でいっぱいだったんです。でも、チーム力、マシンのパフォーマンス、リチャードとのコンビを考えれば、実力を出し切れば勝てると確信しなおしました。本当に嬉しいです」

#1 リチャード・ライアン
「僕が日本に来た一番の目的は、二つのトップカテゴリーのチャンピオンを取るためで、それがかなって本当にハッピーです。それは、世界のモータースポーツで通用する実力を証明すること他ならないからです。将来、さらに上のカテゴリーに行けるかどうかはまだわかりませんが・・・。今年は、ファン、チーム、クルマ、スポンサーなど全てがとても恵まれた環境でしたし、なによりパートナーのサトシ(本山)が色々アドバイスしてくれたのが大変ためになったと思います。また、今日もサトシが良い仕事をしてくれたので、本当にパーフェクトな一日でした」

#12ブノワ・トレルイエ
「スタート直前にセッティングを少し変更したのが良かったようです。僕は、タイヤを痛めないように心がけて走りました。ピットワークも非常に上手く行き、いいタイミングでユウジ(井出)にクルマを渡せました。今までの中でベストだったですね。また、#3のエリックと同士討ちしないように気をつけました。また、日産ファンが振るフラッグに大変勇気づけられました」

#12井出有治
「#3 Zと#36スープラはなかなか抜けないので、ピットワークと冷えたタイヤの間が勝負だと思っていました。なので、#36のアウトラップでトップに立てたのが、僕の今日最大の仕事でした。また、後半のペースダウンは避けたかったので、タイヤに優しい運転に注意しました。でも迫られても逃げ切る自信もありました。今後は安定した速さをキープして、いい成績を残したいです」


 

RACE RESULTS
Rd.7 SUZUKA GT 300km
Sunday,21 November,2004 SUZUKA CIRCUIT
[ 15:04〜52Laps Fine / Dry ]
Pos Car Name No. Driver Name Laps
5 カルソニック IMPUL Z 12 ブノワ・トレルイエ / 井出有治 1:45'47"291
2 WOODONE トムス スープラ 36 土屋武士 / マルコ・アピチュラ -2"059
3 G'ZOX・SSR・ハセミZ 3 金石年弘 / エリック・コマス -3"118
4 auセルモスープラ 38 立川祐路/荒 聖治 -26"885
5 EPSON NSX 32 松田次生 / アンドレ・ロッテラー -28"845
6 DYNACITY トムス スープラ 37 ジェームス・コートニー / 片岡龍也 -54"310
7 ザナヴィ ニスモ Z 1 本山 哲 / リチャード・ライアン -1'08"045
8 デンソーサードスープラGT 39 ジェレミー・デュフォア / アンドレ・クート -1'08"452
9 RAYBRIG NSX 100 中野 信治 / 加藤 寛規 -1'52"208
10 ECLIPSE ADVAN スープラ 25 織戸 学 / ドミニク・シュワガー -1'54"766
R モチュールピットワークZ 22 影山正美 / ミハエル・クルム -20Laps


TRACK INFORMATION
Length:5,807m
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