Round1 GT Championship in TI
TI Circuit AIDA / Okayama, JAPAN Race Result
各classレース結果詳細はこちらから
GT500 class 決勝レポート
#1「ザナヴィニスモZ」がデビュー戦を逆転優勝で飾る!
#3「G’ZOX ・SSR・ハセミZ」6位、#12「カルソニックIMPUL Z」8位、
#22「モチュールピックワークZ」9位
JGTC第1戦 GT CHAMPIONSHIP in TI 決勝レポート
4月4日、TIサーキット英田(岡山県)
 
2004年のJGTC開幕戦、82周の決勝レースはハプニング続出の展開となった。まず、スタート前には晴天となり、決勝レースはドライでスタートするのでは、という大方の予想がはずれたことだ。雨は上がったものの路面はウェットのままで、各チームともスタートタイヤの選択に悩んでいた。

14時00分にスタート予定であった決勝レースのローリングは、15分遅れで開始された。コース表面は部分的に乾いたところもあったが、大半はウェット。今年路面の改修があったばかりで、これまでのデータが活かせなかった点もハプニングといえる。フロントロウを占めたNISMOの2台のZは、ポールポジションの#22「モチュールピットワークZ」がスリックタイヤを選び、#1「ザナヴィニスモZ」はスタート直前にインターミディエイトタイヤに交換していた。

安全を確認する為セーフティカースタートとなり、4周にわたってセーフティカーが先導。そして、5周目にグリーンライトが点灯し、レースがスタートした。ポールポジションからスタートした影山正美の#22 Zはスリックタイヤのためグリップを得られずに大きくペースダウン。一方、本山哲がドライブする#1 Zは、好スタートを切ったものの、オープニングラップのバックストレートエンドまでトップを走ったが、その後2台に先行を許してしまった。さらに、スタート前5分のボードが表示されてからグリッド上でタイヤを交換したことに対してペナルティが課せられ、10周目にピットレーンをドライブスルーすることとなった。これで順位を9位に落としてしまう。すっかり青空となりコースもドライとなったため19周目にピットインし、スリックタイヤに交換。ドライバー交代なしでレースを続行した。 22周目に8位、31周目に6位と順位を上げて行き、48周目に5位でリチャード・ライアンに交代した。この際の迅速なピットワークもその後の展開に有利に作用し、ライアンは終盤を2位で走行。さらに激しくプッシュし、20秒以上差のあった#39スープラに迫った。そして、タイム差を約8秒に縮めたところでトップの#39がペナルティを受けてピットイン。この間にトップを奪い、82周目のチェッカーフラッグをトップで駆け抜けた。

序盤スリックタイヤで走った為、一時18位まで後退した影山の#22 Zは、ドライとなった後にハイペースで順位を挽回。9位にまで押し上げて36周目にピットインし、ミハエル・クルムにドライバーチェンジした。クルムも速いペースで上位車を追いかけ続け、52周目に8位、69周目に6位へと上がっていった。そして、終盤の78周目に#38スープラを捕らえて5位となり、ゴールを迎えた。しかし、レース中のアクシデントに対してペナルティタイム40秒が加算され、9位となった。

スリックタイヤを選んで#22と同様序盤に大きく出遅れた#12カルソニックIMPUL Zは、やはりグリッド上での作業がドライブスルーペナルティの対象となってさらに後退。一時は31位にまで落ちてしまったが、見る見るポジションを上げ、最終的には8位でフィニッシュすることとなった。#3 Zは、インターミディエイトタイヤを選んだため序盤を4位で走行。スリックタイヤに交換するためのピットインで7位に落とすものの、一時はリーダーボードのトップに表示されるなど活躍した。しかし、後半はペースが上がらず、最終的には6位でデビュー戦を終えることとなった。

NISMO出川監督
「事前には、序盤から独走態勢を敷く、というストーリーを描いていたのですが、なかなか予定通りには行かないものです。スリックをスタートタイヤに選んだ#22が、あれほど置いていかれると思っていなかったのも誤算でした。逆にエンジニアの直感で、スタート前にインターミディエイトタイヤに交換を実施した#1は結果的に大成功でした。ペナルティをもらってしまったのは失敗でしたけどね。私自身のデビュー戦でもあるこのレースで、ポールポジションが取れたし、優勝もできたので感無量です」

本山哲
「昨年ポールポジションを取りながら、勝ちを逃したこのTIで優勝できたのは、本当に嬉しいです。ペナルティと無線で聞いて驚きましたが、気落ちしないように心がけました。 今年は、クルマも大きく進歩したので、どのレースもペース配分などなしで、思い切り攻めて行きたいと思います」

リチャード・ライアン
「僕も#39のペナルティの件を無線で聞きましたけど、確信がもてなかったので、最後までプッシュし続けました。クルマの状態は今週最初から非常によく、日本一速いサトシ(本山)とのコンビも最強だと思っているので、自信を持ってレースに臨めました。次のSUGOではウェイトを積むことになりますが、確実にポディウムフィニッシュを狙っていきます。このレースで今年のシリーズチャンピオンを目標にできると確信できました」

逆転優勝に沸き返るNISMOピットでは、短い期間にクルマを開発し、高い戦闘力と安定性の双方を実現したエンジニアやメカニックたちが互いの仕事を称えあった。そして、この4月にNISMOの社長に就任したばかりの眞田裕一は、「とにかく心から嬉しいです。スタンドの大声援とライアンの激しいプッシュが、序盤の本山の頑張りをサポートしてくれたものと考えています。スポンサーやサポーターの皆様に、胸を張って勝利を報告できます。ありがとうございました」と語った。

フェアレディZの生みの親として知られるミスターKこと、片山豊氏がこの日TIサーキットを訪れ、「Zが今年のレースでは強そうと聞いて、大変喜んでいます。最近NISMOのみんながZに情熱を注いでくれているので、強いのは当然だと思いますが、NISMOにとってZでのモータースポーツ活動はグローバルな広がりを意味していると思います。Zがレースで活躍し、もっとスポーツカーを楽しんでくれる人が増えてくれることを期待しています。」とコメントを残した。
 

RACE RESULTS - Race Combined
Rd. 1 GT CHAMPIONSHIP in TI - Sunday,4 April, 2004 TI CIRCUIT AIDA
[ 14:15〜82Laps Cloudy / Wet〜Dry ]
Pos Car Name No. Driver Name Laps
1 ザナヴィニスモZ 本山哲/リチャード・ライアン -
2 エッソウルトラフロー スープラ 6 脇阪寿一/飯田章 12"167
3 デンソーサードスープラGT 39 ジェレミー・デュフォア/アンドレ・クート +26"081
4 イエローハット スープラ 35 服部尚貴/脇阪薫一 +29"438
5 auセルモスープラ 38 立川祐路/荒聖治 +48"406
6 G’ZOX・SSR・ハセミZ 3 金石年弘/エリック・コマス +54"022
7 WOODONE トムス スープラ 36 土屋武士/マルコ・アピチュラ +1'19"556
8 カルソニック IMPUL Z 12 ブノワ・トレルイエ/井出有治 +1'25"336
9 モチュールピットワークZ 22 影山正美/ミハエル・クルム +1'23"650
10 EPSON NSX 32 松田次生/アンドレ・ロッテラー 1'32"031
TRACK INFORMATION
Length: 3,703m
公式予選1回目(GT500) | 公式予選(GT500GT300) | 決勝前フリー走行
決勝(GT500GT300) | フォトギャラリー | エントリーリスト(GT500GT300