GT-R勢が第5戦鈴鹿と第6戦富士で連続して優勝と表彰台を獲得した。そして昨年のシリーズチャンピオン1号車(S ROAD REITO MOLA GT-R)が再びランキングトップに、12号車(カルソニック IMPUL GT-R)が3位と同ポイントの4位に躍り出た。 残る2戦では、ポイントを反映するウエイトハンディが半減(第7戦)とゼロ(第8戦)となる。従って今後は第6戦の結果が事実上ウエイトハンディに反映されないので、GT-Rのタイトル連覇に向けて1号車、12号車は大きな成果を挙げたことになる。

富士スピードウエイの抜きどころは、ストレートエンドと300Rの後の第2シケインという高速による追い越しに限定され、コーナーではなかなか抜き難い。従って決勝レースではストレート勝負となることが多く最高速の速いクルマが有利で、一度先頭に立つとそのままぶっちぎる可能性が高い。だから各社ともに富士だけ特別のロードラッグ仕様を投入しているわけである。

フロントローからスタートした12号車と1号車が結果を出せたのは、軽さとタイヤで最高速がダントツに速かった19号車との戦いを制したことに尽きる。最高速を活かして予選6位から追い上げてきた19号車に、先ず重い1号車が追い抜かれ、続いて12号車もテールツーノーズとなった。ここで12号車の松田選手はコーナーの速さと周回遅れのGT300を交わすタイミングを巧みに利用しながら懸命にトップのポジションを守り切り、それに応えるべくピットクルーも素早いピットワークで19号車を引き離すことに成功した。引き継いだオリベイラ選手は19号車をストレートで牽制する必要が無くなり本来の速さを発揮し余裕を持ってゴールできた。

一方1号車は4位でピットインしたが、これも驚異的に早いピットワークで2位に返り咲き、柳田選手も19号車との接近戦を、ストレートに出る前のセクター3で差を広げてストレートでは追いつかれるだけで追い抜かれない運転で粘り勝った。

もし19号車がどこかの時点でトップに立っていたら優勝していた可能性が高い。よって今回は19号車の猛攻をしのぎきった松田選手、柳田選手及び両ピットクルーに☆三つ。

23号車(MOTUL AUTECH GT-R)は今回も結果を出せなかった。23号車は予選では十分優勝を狙えるポジションにつけるが、決勝では歯車が噛み合わず第2戦の3位が唯一の表彰台である。性能で並び立つ12号車が結果を出す中、本山、クルム選手はもちろん、NISMOスタッフも涙が出るほど悔しいし、応援してもらっているファンの方々に申し訳ない気持ちで一杯である。原因を分析し適切な対策を行いプライドに賭けて、昨年の第7、8戦の連勝を再現させ、皆さんの期待に応えたい。
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