MOTUL AUTECH GT-R、攻めの戦略と走りで11位

SUPER GT第6戦富士ラウンド、予選7位からスタートしたMOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ミハエル・クルム)は途中4位までポジションを上げるも、11位でチェッカーを受けた。

9月に入ったとはいえ、日差しはきつく気温も30℃近くまで上昇した富士スピードウェイ。66周の決勝レースで7番手スタートの#23 GT-Rは、今季初めてクルムがスタートドライバーを務めた。クルムはスタート直後の1コーナーで1つポジションアップを果たすと、一時順位を落とすものの、徐々に挽回して、8周目で#100 HSVをかわして5位浮上。さらにポジションを4位に上げ、レースのほぼ半分の30周を終えてピットに入り、本山にドライバー交代した。上位陣のピットワークがほぼ終わり、本山は5位走行を続けていたが、ここでレース前半の黄旗掲示中の追い越しによるペナルティが課されることになった。このペナルティを消化し、12位でコースに戻った本山はプッシュを重ねてポイント獲得圏内の10位までポジションを取り戻したが、最終ラップにガス欠症状が出てペースダウン。11位でチェッカーを受けた。




#23 GT-Rドライバー 本山哲
「朝のフリー走行ではアベレージタイムも良かったので、決勝に向けて期待していましたが、実際にレースになってみたら、思っていたほど(ペースが)上がらなかったです。原因がどこにあるのかはまだわかりませんが、クルマの速さが出なかったという問題にチーム全体で取り組み、改善してオートポリスに向かいたいです」
#23 GT-Rドライバー ミハエル・クルム
「僕のスティントで4位までポジションを上げることができましたが、ピットインの周に出ていた黄旗を見逃してしまい、ペナルティとなりました。ミスでポイントを取れずチームに申し訳ないです。次戦こそはいい結果を出せるよう頑張ります」
ニスモ 鈴木豊監督
「クルムが少しずつ順位を上げてくれて、順調にレースを進めていけたと思ったのですが、インラップの時に、本当にわずかなタイミングで黄旗を見逃してしまったようです。最後のガス欠も、ピット作業時間を最小限にするため、給油量もギリギリで送り出したのですが、後半のプッシュが行き過ぎてしまいました。昨日に比べマシンの状況は非常に良くなったとは思うのですが、最後までひとつひとつがかみ合わなかったように感じています。しかし、GT-Rは速さを見せてくれたので、次はうちがトップで終われるように頑張っていきたいです。オートポリスはドライバー2人も得意としているところ。残り2戦を勝てるようにしたいと思います」



NDDP RACING、9位でポイントを獲得

予選17位からスタートしたS Road NDDP GT-R(千代勝正/佐々木大樹)は、スタートドライバーの千代勝正が5番手まで順位を上げてピットイン。チームは後輪2本交換で佐々木大樹を送り出した。

千代はオープニングラップで7台をかわし10位に浮上。タイヤがフレッシュなレース序盤で7位までポジションを押し上げ、さらに前方の5位争いに加わった。#0 Z4との数周にわたるバトルに勝ち、33周を終えたところでピットイン。ピット作業短縮のためリアタイヤ2本のみを交換し、佐々木大樹をコースに送り出した。9位でレースに復帰した佐々木は1つポジションを上げたが、終盤に#11 audi R8にかわされ再び9位に。自力でポジションを取り戻そうと前を追いかけたが、要所でふたをされ追い抜きはかなわなかった。9位でチェッカーを受けた#3 GT-Rはシリーズポイントを2ポイント追加した。


#3 GT-Rドライバー 千代勝正
「17位という後ろからのスタートは初めてでしたが、注意しながらうまくポジションを上げられたと思います。前半、タイヤがまだフレッシュな頃はどんどん追い上げることはできましたが、中盤あたりからタイヤグリップが厳しくなると周りと同じペースになり、いったん抜いたZ4に抜き返されたのは悔しかったです。ただピットインの前にもう一度抜き返せたのは良かったと思うし、内容は悪くなかったと思いますが、結果としてはもう少し上に行きたかったです。僕が前半でもっと順位を上げられていればと思うと悔しいレースになりました。次のオートポリスはF3で優勝しているコースなので、ウェイトハンディの分をドライバーとクルマの良さでカバーできるよう、頑張ります」
#3 GT-Rドライバー 佐々木大樹
「とにかく前を追いかけることに集中しました。リアタイヤ2本交換のマシンの感触は朝のフリー走行で確かめていたので、走り出してから戸惑うこともありませんでした。でも1台に抜かれてしまったし、タイヤ無交換だった#0 Z4を抜けなかったのは悔しいです。今回のGTレースでは、体力的なきつさはあまり感じませんでしたが、F3以上にさまざまなことに注意して走らなければならないことに神経を使いました。これだけ黄旗掲示やペナルティが多く出るようなレースを、大きなミスなく走りきれたのは良かったのかなと思います」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「千代はコンスタントにいいペースで走れていましたが、佐々木はなかなかタイムが揃いませんでしたね。(タイムを)落とさないように走らなければいけませんが、F3と違ってGTはうまいドライバーがぞろぞろいますし、なかなか経験不足の中では完璧にはできません。それでも大きな失敗をせず、9位で帰ってきたのはよくやったなと思います」
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