MOTUL AUTECH GT-R、ノックアウト予選で7位に

今年2度目のSUPER GT富士ラウンドは、ノックアウト予選で始まった。MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ミハエル・クルム)は練習走行から順位を上げ、予選7位となった。

富士は、第2戦で今季初の表彰台を獲得しているサーキットだ。鈴鹿1000qの直前に行われた合同テストではマシンに手ごたえを実感していたチームだったが、午前中に約2時間設けられた公式練習では持ち込んだセットアップがコンディションにマッチせず、調整に時間をかけることになった。その結果マシンバランスは徐々に修正され、公式練習の結果は12番手ながらドライバーはバランスが改善された感触をつかみ、午後に行われる予選での上位進出に気合が高まった。

ノックアウト方式の予選でQ1を担当したのは本山。1アタックで4番手タイムをマークすると、最終的に8位で通過した。Q2ではクルムが自己ベストタイムを0.7秒縮めて4位と、GT-R勢トップでQ3進出。最後のセッションは本山がアタックし、計測2周目で5番手につける。さらに続けてアタックし、コース前半ではトップタイムの勢いを見せていたが、後半で若干ペースが鈍り、自己ベストタイム更新はできたものの、結果は7位となった。


#23 GT-Rドライバー 本山哲
「午前中、走り出しのセットアップが少し狙いすぎていて、難しい状況だったのですが、お昼の間にデータを調べ、セットアップやギヤレシオ、いろいろうまくアジャストして、午後はだいぶ改善されました。この調子で行けば明日はいい結果を出せると思います。ここ数レースは比較的予選に比べレースでポジションを落とすことが多かったので、明日はそれを逆にできるよう、順位を上げていきたいです」
#23 GT-Rドライバー ミハエル・クルム
「朝の走行はセッティングでバタバタしてしまい12番手でしたが、いろいろな変更をした結果良い方向に進むことができました。予選ではQ3まで進めましたし、7番手という順位自体はあまりいいものではありませんが朝の結果からすれば調子はうわ向いているということだと思います。それに、僕はQ2を使用済みタイヤで走りましたが、そのペースは悪くありませんでしたから、きっと決勝のペースもいいはずです。明日に向けて、もっとクルマを仕上げていけるように頑張ります」
ニスモ 鈴木豊監督
「持ち込みセットがあまり良くなく、朝のセッションはうまくまとめることができませんでした。症状を改善するためにいろんなことをやってみましたが、ユーズドタイヤでのペースで良い部分はありますが、まだ十分とは言えないです。Q3まで進むことはできましたが、まだ解決できていない部分が影響し、7位という結果になりました。この問題を明日の朝までに解消できるよう、これからデータを見ながら対策をしていきます」


NDDP RACING、ウェイトハンディが影響し予選17位

菅生、鈴鹿と2戦連続で表彰台を獲得したS Road NDDP GT-R(千代勝正/佐々木大樹)は、94sというウェイトハンディで富士に臨むことになった。約100sという重さはマシンの動きに大きく影響を与え、厳しいレースになることを予感させた。

約2時間の公式練習では前半は千代が決勝に向けてクルマのセットアップを確認し、後半は佐々木がロングランを行った。佐々木は序盤はクルマの重さや、GT500との混走に戸惑いも見せたが、すぐにGT-Rの動きをつかむと徐々にタイムを削り、千代の出したベストタイムにあと1秒のところまで迫った。残り10分の占有走行は千代に交代したが、やはり94sというウェイトハンディが響き、#3GT-Rは17番手タイムだった。

ノックアウト予選は、まずQ1で上位16台に残るべく佐々木がアタック。GTでの初アタックながら、練習走行での自己ベストを約1.5秒縮めてQ2進出圏内に浮上した。しかし、ライバル車両がセッション終了間際に佐々木のタイムを上回り、17位に後退。わずか100分の2秒差だったが、Q2進出はかなわず。明日の決勝レースは17番手から巻き返しを誓う。


#3 GT-Rドライバー 千代勝正
「午前中の練習走行では、僕がセッションの半分で決勝を見据えたセットアップを担当し、残りの半分で佐々木選手の走行時間を作りました。しかし、94sというウェイトハンディの中、予選は非常に厳しい戦いになったなと感じました。Q2に進出することはできませんでしたが、Q1しか走らなかった分、決勝に向けてタイヤも残っています。追い上げる準備をして、明日は1つでも順位を上げられるように頑張ります」
#3 GT-Rドライバー 佐々木大樹
「GTマシンはF3に比べ重たいので、最初のうちはブレーキで止まりきれなかったりしててこずりましたが、中古タイヤでのペースはそれほど悪くないのではと思いました。ニュータイヤでのQ1は自分なりのアタックが大きなミスなくできたと思いますが、まだまだ詰めなければならない部分も多いので、決勝に向けてこれらを見直し、明日は挽回できるよう頑張りたいと思います」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「今回は練習走行の順位も17位でしたし、ウェイトハンディの影響は大きいなというのが今日の全てです。鈴鹿で50s積んでいた時はそれほど感じませんでしたが、やはり94sというのは厳しいですね。それでも考え方を変えれば、ウェイトを積んでいるというのはポイントを持っているということですから、明日はこれを1ポイントでも2ポイントでも増やせるよう、順位を上げなければいけませんね」
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