不屈のトップランナー~松田次生、NISMOと駆け抜けた20年

Volume 4

不撓不屈のエースドライバー

2016年シーズン、NISMOの松田次生/ロニー・クインタレッリはSUPER GT GT500クラスで3年連続のドライバーズタイトル獲得を目指して戦った。開幕2連勝でスタートしたものの、その後は大きなポイントを得るレースがなく、もてぎ最終2連戦*をランキングトップのポジションで迎えはするが、最終的にはドライバーズランキング3位に終わる。

成績に連動するハンディ制度があるSUPER GTでの年間複数勝利は難度が高いが、松田/クインタレッリは2014年〜2016年に3年連続で年間2勝を記録、3連覇こそ逃すも時代の盟主の座を確固たるものにしつつあった。

GT500ドライバーズタイトルとカーナンバー1の奪還を狙った2017年は、開幕2連勝した前年とは正反対にシーズン後半に尻上がりに成績を上げていく戦いぶりとなった。しかし初勝利が最終戦というのはいささか遅く、松田/クインタレッリはドライバーズランキング2位でシーズンを終了する。(4シーズン連続で3位以内を維持)

翌2018年、富士スピードウェイでの第2戦で松田/クインタレッリはシーズン初優勝をゲットした。これは松田にとってGT500での通算20勝目、前人未到の数字であった。

このレース、松田はスタート前には「今日、ポールポジションの立川さん(当時通算18勝の立川祐路=レクサス38号車)に勝利数で並ばれちゃうのかな、と思ってドキドキしていました」と勝利後に振り返ったが、好調レクサス勢を退け、結果的には立川に対する通算勝利数の差を2に広げることに成功。500kmレースの中盤スティントを担当した松田の「最後までフルプッシュしました」という走りが勝利を呼び寄せた一戦でもあった。

ただ、2018年の松田/クインタレッリの表彰台はこれ1回のみで、ドライバーズランキングは8位。2008〜2015年の8シーズンで5度のGT500ドライバーズタイトル獲得を達成したGT-Rだったが、2010年代終盤には厳しい戦況が続く流れとなっており、翌2019年、松田は10年ぶりの未勝利に甘んじる。(ドライバーズランキングは3位で、2年ぶりのトップ3返り咲き)

コロナ禍に揺れた2020年シーズン、ベテランらしい落ち着きを示すかのように2勝をマーク、翌2021年も1勝を得るが、松田/クインタレッリのコンビ3冠目は実現しないまま時間が過ぎていく。

2022年、マシンがNissan Z(RZ34型)へとかわり、日産から7年ぶりにGT500王者コンビが輩出されるが、その栄誉を勝ち得たのはTEAM IMPULの平峰一貴/ベルトラン・バゲットだった。日産勢がシリーズ1-2という結果を残すなか、NISMOの松田/クインタレッリは0勝、ドライバーズランキング7位というシーズン成績だった。

翌2023年は開幕戦勝利の好発進。ところが第3戦鈴鹿、レース終盤に高速コーナーの130Rを抜けたところでGT300クラスのマシン群と遭遇した松田はマシン大破のクラッシュを喫してしまう。松田も負傷したが、懸命のリハビリで2カ月後の次戦に出場。この年は終盤戦で2位を2度記録して、最終的なドライバーズランキングでは3位と、4年ぶりにトップ3への復帰を果たしている。

絶大なる信頼を築きつつ走り続けてきたコンビにも、次のステージへと動く時がやって来た。翌2024年、松田は10年続いたクインタレッリとのタッグを解き、新たな挑戦に向かって移籍することとなる。