不屈のトップランナー~松田次生、NISMOと駆け抜けた20年

Volume 3

盤石の強さでGT500クラスを連覇

2014年シーズン、松田次生とロニー・クインタレッリは4年ぶりにコンビを組み、日産陣営の旗艦であるカーナンバー23をつけるMOTUL AUTECH GT-Rで、SUPER GT GT500クラスに臨むことになった。マシン規定の刷新年にもあたり、松田にとっては様々な意味で新しい時代へと入るシーズンだった。

松田/クインタレッリは第3戦オートポリスでシーズン初勝利を挙げると、中盤戦にも効果的な加点をして、最終戦ツインリンクもてぎ(現・モビリティリゾートもてぎ)にタイトル争いの一角を占める立場で駒を進めた。そして予選でポールポジションを獲得する。

最終戦の決勝レース、ポールポジション発進からそのまま優勝したとしても、レクサス(トヨタ)陣営の36号車が2位に入ればドライバーズタイトルは36号車のドライバーが獲る(王座獲得の権利者はジェームス・ロシターのみ)、という条件下の厳しい戦いではあったが、オープニングラップの攻防で明暗が分かれた。

クインタレッリの#23 MOTUL AUTECH GT-Rが首位キープで出たのに対し、予選4位の36号車は上位の接近した攻防のなかで接触によるダメージを受け、順位を下げていく展開となった。対照的に23号車はクインタレッリから松田につないで圧勝、松田/クインタレッリが逆転で2014年のGT500ドライバーズチャンピオンに輝いた。

「走り始めから調子が良く、トラブルなどの不確定要素が敵でした。それが出ないように意識して戦って、ぶっちぎりで勝てた。ドライバー、チーム、タイヤの総合力だと思います」と喜びを語った松田にとって、大願成就ともいえるGT500初タイトル獲得だった。すでに国内トップフォーミュラの頂点を2007年、2008年に極めていた松田は、このGT500初王座獲得で当時日本人選手としては本山哲と高木虎之介に続く3人目のGT500&トップフォーミュラ戴冠経験者ということになった。

本山は松田にとって日産陣営での先輩であり、かつてGT500でコンビを組んだこともある存在。高木は松田がNAKAJIMA RACINGでトップフォーミュラを戦っていた若き日に、同じチームで圧倒的な強さを発揮して王座に就いた、これまた先輩であった。そのふたりに比肩するキャリアを誇るところまで松田は到達した(当時35歳)。

翌2015年、カーナンバーを23から1に替えて戦った松田/クインタレッリは2年連続でGT500ドライバーズタイトルを獲得する。最終戦もてぎ、予選12位という窮地から決勝2位と挽回し、ポイント首位で最終戦に入っていた同じGT-R勢の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)を逆転、2年連続の逆転タイトル獲得を実現させた。

松田はトップフォーミュラのみならず、GT500でも連覇を達成した。(僚友クインタレッリは2011〜2015年の5シーズンで4度目の戴冠)

Volume 4:不撓不屈のエースドライバー