2015年6月、本山はタイで開催されたシリーズ第3戦で、MOLAのR35型NISSAN GT-Rに乗って優勝を飾り、GT500クラス通算優勝回数を16勝へと伸ばした。この時点で歴代シリーズ通算最多勝利記録であり、依然として本山がトップドライバーであり続けていることを示す勝利であった。
2017年、46歳となった本山は、GT500クラスで戦い続ける一方、本山を追ってトップドライバーを目指す若手選手の育成に携わることになった。NDDP(NISSAN DRIVER DEVELOPMENT PROGRAM)のF3アドバイザーに就任、B-MAX Racing Teamで全日本F3選手権を戦う高星明誠のレースに立ち会い、様々な面から高星のサポートをすることになったのである。レースに対する本山のストイックな姿勢を学びとった高星は、2017年度全日本F3選手権シリーズチャンピオンに輝き、2018年は日産陣営からGT500クラスへ進出を果たした。
2018年の本山は、新たにGT500クラスへ参入したB-MAXに移籍、若手の千代勝正と組んで戦いながら新しいサテライトチームの基礎づくりに取り組んだ。
本山は日産‐NISMO陣営の顔として、22年間にわたってGT500クラスの最前線で戦い、大戦果の数々を築きながら、日産のマシンを育て、選手を育て、チームを育てたのである。