Volume 4

衰えないスピード。2008年SUPER GTを制す

JGTCは2005年、SUPER GT(S-GT)へと改称したが、国内レース界の王者として君臨する本山は、NISMOのエースとして日産陣営を引っ張って戦い続けた。NISMOは2009年の車両規定大改定のタイミングに先駆け、GT500クラスを戦う競技車両のベースをZ33型フェアレディZからR35型NISSAN GT-Rへ切り替えるための開発に取り掛かったが、ここでも本山は開発の最前衛で働いてマシンを仕上げていった。常にベストを求める本山は、時には身内であるチームや開発担当に向けても厳しい態度で接した。しかしそれが陣営の空気を引き締め、妥協のない戦いにつながった。そして本山はドライバーとして、その雰囲気に応える走りを見せた。

2008年、前倒しで実戦デビューしたR35型NISSAN GT-Rに乗った本山は、ブノワ・トレルイエとともにシリーズ開幕2連勝を含む3勝を挙げて、自身3回目のGT500シリーズチャンピオンに輝くとともに、日産の新たなフラッグシップモデルとなるR35型NISSAN GT-Rをデビューイヤーの王座に導いた。

この年いっぱいでトップフォーミュラからは退いたが、本山はNISMOのエースとして2012年まで活躍。2013年にはMOLAへと移籍して、サテライトチームの戦力増強に寄与することとなった。40歳を前にして、本山は円熟の領域に達したのだった。

Volume 5:若手育成にも尽力。これからも日産とともに