2016.11.28
ごめんなさい。ブログのアップが少し遅くなってしまいました。もてぎの後、マカオGPに参加する準備やほかにもいろいろあって、こんなに遅くなってしまいました。
さて、僕はカズキさんとサトシさんと東京からもてぎへ車で移動しました。
いつもは日曜日に決勝レースが1戦あるだけですが、地震の影響でキャンセルされたラウンドがあったため、SUPER GTの最終大会はいつもと違ったスケジュールでした。土曜日に1レース、日曜日にも1レースあり、それぞれのレース用に予選が2回あったのです。カズキが土曜日の予選を担当し、僕が日曜日のレースの予選を走りました。これを書きながら、チームメイトよりかなり楽なセッションを担当したのだとしみじみ思います。
金曜日の練習走行は、困難なことだらけの1日となりました。僕たちは新しいコンパウンドのタイヤを試したかったのですが(ドライがよかった!)、天気は残念なことに凍えるほど寒くてしかも雨。タイヤを試すことはできませんでした。おまけにクラッチの問題があって、車全体に振動がありました。GT3仕様のGT-Rはギアボックスを後ろに積んでいるので、クラッチも後ろにあります。不具合があるとプロペラシャフトを通じて車のフロント側にも伝わるのです。ですので、最初はこの振動がどこから来るのか、判断するのが難しかったのです。ドライバーはチームになるべく正確にトラック上で何が起こっているかを伝えなければいけないのでなおさらです。とにかくチームは土曜日の予選までに問題を解決して車を準備し、カズキが本当にタフな予選に挑戦することになりました。
土曜日の朝の路面はウェットでした。金曜日に、僕はちょい濡れとドライの混じったコースをスリックで試してみましたが、路面温度が10度では全然熱が入りませんでした。加えて、土曜日のコンディションは金曜日よりも若干悪い方向だったので、全GT車両が15分間走ったとしても、スリックは無理だと伝えました。結論から言うと、僕らはスリックでスタートし、残り6分の時点でウェットに替えました。ギャンブルに出たのですが、効果はありませんでした。土曜日は全般的に言って、僕たちのための1日ではありませんでした。レースも同様でした。
カズキは新しいスペックのスリックタイヤでレースをスタートしましたが、路面コンディションとは全く合いませんでした。チームは素晴らしいピット作業で4輪を交換し、僕は固めのタイヤでピットアウトしました。
僕のスティントでは、すぐにフロントとリアのグリップが悪化するのに気付きました。8周を過ぎたころ、僕は少し混乱しました。あと24周もあるのに!GT-Rにはとても便利なタイヤ空気圧モニターが付いているのですが、悲しいことにその数字はモニターが壊れているんじゃないかと思ってしまうような数字が表示されていました。レースカーにおけるタイヤの空気圧はグリップと車のバランスに大きく影響しますが、僕らの場合、原因不明の理由で4輪ともかなり高かったのです。アタックするのがとても難しかった。レース結果は13位で、今シーズン初めてポイントを取れないレースとなりました。選手権を争う上で、理想的とは言えません。
日曜日の朝、僕にはその日のレースに向けた予選という仕事がありました。規則により最終戦にはハンディキャップウェイトがゼロになりましたし、その朝は完全なドライコンディションでした。僕が「カズキよりも楽な予選だった!」と書いたのを覚えていますか?
満足のいくアタックラップをまとめたのですが、予選順位は14位にしかならず、まだ空気圧の問題を抱えていました。なぜこうなるのか、原因がわからないので、僕は気がかりでした。でも、レースの前にウォームアップセッションがあったので、スタートタイヤのタイヤ空気圧を思い切って下げ、そのセッションで空気圧がどのように推移するのかを注視することにしました。タイヤの空気圧が上がってしまう時にセットアップを変えても意味がないですからね。エンジニアはカズキがレースをスタートする前に見事にこの問題を解決しました。
グリッドで、僕はまたもやたくさんの人たちを見て驚きました。本当にたくさんの車やファンの人たちがもてぎのオーバルコース上やグランドスタンド、バンクにいるのが見えました。僕は自分のコレクション用に何枚か写真を撮りました。
僕らの戦略はリヤタイヤだけを交換することでしたが、その作戦はまだレースではやったことがありませんでした。でも、僕たちはギャンブルに打ってでて、選手権に挑戦する必要がありました。
カズキはいいスタートを切ってオーバーテイクを重ね、すぐに選手権をリードする25号車の背後につきました。25号車は僕らの1周前でピットインして、タイヤを交換せずに出て行ったので、2輪交換した僕は、彼らの5秒後でピットを後にすることになると読んでいました。でも、驚いたことに、チームはいい仕事をして2輪しか交換しなかったのに、25号車は僕よりもずっと前を行っていて、ピットを出てった時に25号車は見えませんでした。彼らは僕らよりも燃料が少なくて済んだんですね(ドライバーの言い訳 笑)
そこで僕はがむしゃらに100%プッシュしました。僕らのピットインは早めだったので、暫定順位は下がりましたが、ピットイン前に僕らの前にいた車を数台抜くことに成功しました。5位走行中、新品タイヤの#4メルセデスと25周にわたってクールでハードなバトルを繰り広げました。セクター2の終わりではメルセデスが速いので、僕はターン9/ターン10で何度となく防戦しなければなりませんでした。何度か接触するほど、僕らは激しく戦いました。僕らはまだ前を行く4位、もしかしたら3位にも追いつけそうでした。でも最後の4周で、ピット時間を短縮するために交換しなかったフロントタイヤのグリップに苦戦してしまいました。ターン7/ターン8のハイスピードコーナーでの僕の最低速度は#4よりも遅かったので、#4はターン9のアタックを簡単にすることができました。レース中、オーバーテイクしそうな人が周りにいるということは、僕にとっては最悪の気分です。僕はターン9でアウトから、ターン10ではインにつこうとしました。そうすれば、あと1周は抜かれないからです。でも僕はターン9の出口でコースの外に押し出されてしまいました。僕は抜かされないようにしたのですが、5位/6位の車両が僕をやすやすと抜いていきました。
レースの最終的な順位は6位で、選手権では4位でした。
B-MAXチームのみんなと、よき友人でありチームメイトのカズキと素晴らしい思い出ができました。
ファンのみなさんとは、ニスモフェスティバルでまたお会いしましょう ;)