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モータースポーツ

2016.05.06

Round 2 富士

富士のSUPER GT第2戦は日本のゴールデンウィークに開催されるので、週末ではなく水曜日に、そしていつもより長い110周でレースが行われました。いつもと少し違いますが、国民の休日なのでサーキットにはたくさんの観客が来ていました!

Monday - 5/2

月曜日はサーキットへの移動日でしたが、リラックスしたスタートでした。カズキとまた新幹線に乗って富士の最寄りの駅に行き、そこでレンタカーを借りました。サーキットではよそのチームがピットストップの練習をしていたのですが、その様子は見ごたえのあるものでした。重いタイヤを素早く外して別のタイヤをつける一連の動きは速く、ち密で、そして力強く、本当に職人芸です。練習は何度も繰り返されていましたが、それはピットストップで失敗すると何秒もロスしてしまい、そのロスをコース上で取り戻すのはものすごく難しいからです。ピットストップはそれぞれが自分の役割を熟知し、細心の注意を払ってコーディネートされたダンスのようです。速いピットストップは見ごたえがあります。

僕らのクルマは僕のシートベルトの調整が必要でした。シートの腰回りはとてもタイトなので、ベルトがドライバーのお尻の下に来てしまうと最悪です!僕とカズキはシートポジションが違うので、シートベルトも違います。僕はカズキより背が高くシートも後方になるため、長いベルトが必要なのです。(黄色い印がついているのが僕のベルトです)

Tuesday - 5/3

火曜日は練習走行と予選の日でした。8時からチームミーティングがあり、レースでどのタイヤコンパウンドを使うかを話し合いました。そのタイヤを予選でも履かなくてはならないので、これはとても重要です。もし、より耐久性があって距離は行けるけど、予選のピークグリップが足りないタイヤを選んでいいスタート順位が得られないとすると僕らは困ってしまいます!全員が心底合意できれば、決めるのはストレスフリーで簡単なのですが!それにそれは正しい決定でもあります!

練習走行ではカズキが大半を担当し、常にトップ近くのペースで力強い走りを見せていました。僕らは数時間後に行われる予選に向けて最適のセットアップにすべく、練習走行中のクルマの挙動についてエンジニアにフィードバックしました。

予選で僕は初めてQ2を担当しました。基本的に上から14台が最終的なグリッドポジションを決めるQ2に進出します。カズキは楽々とトップ14に入り、Q1を6位で終えて完ぺきな仕事をしました。

ニュータイヤではGT-Rはその力を発揮します。予選やコース上でのライバルとのバトルはレースで一番エキサイティングです!僕は富士のブレーキングゾーンが好きで、1コーナーのアプローチスピードは280㎞/hになるので、ブレーキペダルを踏むタイミングを選ぶときは目を皿のようにしています。僕のアタックは5位でしたが、自分のパフォーマンスに満足出来たのでよかったです。僕らは予選結果に満足していたので、その夜はカズキ、千代さん、哲さんやスポンサーさんと一緒に中華料理を食べに行きました!

Wednesday - 5/4

天気予報が変わってはいないかとしょっちゅうスマホをチェックするのはドライバーのくせです。水曜日の朝には26㎜の雨が降りましたが、そんな雨はレース前にはいりません!幸いなことにコースは急速に乾き、スタートのずっと前にドライになりました。

レース直前にはウォームアップ走行がありますが、それは“家事”をするようなものです。新しいブレーキを装着して、ブレーキの焼き入れとあたりをつけるにはコントロールされたペースで数周必要なので、きちんと行わなければなりません。ここでは速い走行はなしです!

待ち時間。それはモータースポーツでは多々あります。クルマは気温25度の晴天のもと、1時過ぎにはグリッドに並びましたが、レースのスタートは2時です。この間の過ごし方やレースに向けた気持ちのセットは人それぞれだと思いますが、僕はピットにある部屋に戻って音楽を聴いたり中継映像を見たりします。中継映像がグリッド上の僕たちのクルマに切り替わって、そこにドライバーが誰もいないのを見るのはとても不思議な感じがします。グリッドやグランドスタンドには大勢の人がいて、“ニッサン、ニッサン”と応援するファンの声が聞こえました。

僕の日本での初レーススタートとなりましたが、僕はそれなりにリラックスしていました。誰もがポジションアップを狙う最初の数コーナーでのバトルや混戦を楽しみました!100Rの外側あたりで4位に上がった時、クルマの中で僕はものすごく興奮していました。最初のスティントは35周ぐらいの予定だったので、追い上げにはまだまだ時間がありました。GT500クラスの速いクルマがやってきて僕らを追い越して行き、その高速トラフィックの混乱を時々利用して、1コーナーで3位に上がりました。

リードを奪ってピットインし、カズキに交代。ピットストップは素晴らしかった!誰もミスをせず、リードを保ってピットアウトしました!僕はNISMOアンバサダーのミハエル・クルムとのインタビューや他のインタビューを受けた後、クールダウンしようとヘッドフォンを取り上げた時、もうすぐクルマに乗ると言われました!時間はあっという間に経ってしまいます!

最終スティントは大変でした。無線のイヤフォンの調子が悪く、僕は自分のポジションが分かりませんでした。でも、それを全力でドライブする理由にして、リアのニュータイヤのピークグリップを使ってファステストタイムを出すなど、ちょっと楽しみました。何とか12秒リードしていることが分かったので、ブレーキペダルの踏み込みが大分深くなっていたこともあり、少しブレーキを休めることにしました。最後には後続とのギャップは4秒まで迫られましたが、必要ならスピードアップできることが分かっていたので、パニックにはなりませんでした。レースをリードしていて、残り10周でブレーキがなくなることほど最悪なことはありませんから!

フィニッシュラインをトップで通過し、僕はとてもハッピーでした!クルマの中で、狂ったようなジェスチャーをしながら無線で叫んでいました!

レースの後、カズキやチームのみんなに会って、すごくうれしかったです。100%の力を出しながらノーミスという、本当にチームみんなの努力の結果です。

日本のトロフィーはとても重く、品質も高いものでした!

レース後はたくさん写真を撮られ、インタビューを受けました。GT500クラスとGT300クラスと両クラスで勝ったので、日産/NISMOにとっても、素晴らしい日でした。

僕は翌日早朝のフライトで帰国するため、荷造りをしながらグリーンティーフラッペで優勝をお祝いしました。ウェールズの家に帰ったら、友達とビールで祝杯をあげようと思います。

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