記念すべき30回目のニュルブルクリンク24時間レースにおいて、ファルケン・モータースポーツが走らせる日産スカイラインGT-Rは5位入賞を果たした。クライスラー・バイパーやポルシェ996 GT3といったフルGTカーを相手に一歩も引かずに渡り合い、チームとしては初挑戦となった98年の6位を上回る成績を残すこととなった。そのこともあって、フィニッシュ直後にはドライバー、そしてスタッフ全員から笑みがこぼれていた。
しかし、ゴール間際には一瞬冷やっとする一幕もあった。ラスト1時間を間近に控えたショイスマンのドライブ中に、バックミラーをよく見ていなかったマシンにファルケン☆GT-Rが接触されたのだ。マシンはスピンし、左のリヤタイヤがバースト。しかしながら幸いだったのは、フェンダーを少し痛めただけで足まわりにはダメージがなかったこと、そしてその場所がピットからそう遠くなく、難なく戻ることができたことだ。
当初の予定よりも1周早かったものの、そのタイミングであれば準備は万端。大したロスタイムもなく、チームはフィニッシュドライバーとして田中を指名。そして、間もなくコースに送り込んだ。
それまで自身としてはノーミスだった田中だけに、残り1時間の走行は全く危なげなく走り抜き、ピットウォール脇でスタッフが見守る中、右手を高々と上げてフィニッシュ! その直後、スタッフは握手をかわし合っていた。「僕にとって、ニュルの24時間は99年以来2回目。僕が出るとちゃんと完走できるんですねぇ(笑)。そのあたりは強調しておかないと。それはともかく、僕としてはいい仕事ができました」と田中。
なお、ザクスピードのクライスラー・バイパーGTS-Rが最後までスピードを衰えさせることなく駆け抜け、なかなか連勝を許されなかったジンクスを打ち崩して、2位に2周もの差をつける圧勝。サーキットのゲート脇にガレージを構えるチームだけに、まさに地元に錦を飾ることとなった。