世界一と言っても過言ではない過酷なレース、ニュルブルクリンク24時間レースの決勝が午後2時にスタートを切った。空はまさに雲ひとつないほど澄みわたり、最高のレース日和となっていた。グリッドに並んだファルケン☆GT-Rは、ポールポジションのザクスピード・バイパーと一、二を争う好人気。マシンのまわりは立錐の余地がないほど、ファンや動向をうかがうライバルチームのスタッフが囲んでいた。203台のマシンは例年どおり3組に分けられ、それぞれセーフティカーに先導されて、フルコースを1周のフォーメイション。コースサイドは熱狂的なファンが押し寄せ、まるでフィニッシュシーンのようでもあった。
「最初のスティントは、アッシュ、木下、田中、ショイスマンの順。初めは1スティント6周で、そのあとは様子を見て7周から8周を考えている」と鈴木監督。
そのスタートを担当したアッシュは好スタートを切って、グランプリコースのうちにポルシェの1台をかわして3番手に浮上。その後、1周目のラップを9分38秒596とし、次の周には早くもバックマーカーが現れるも、9分47秒016、そして9分45秒181、9分37秒956と確実にタイムを伸ばし、前をいくポルシェにも迫っていった。いったんはバックマーカーに行手を拒まれ、せっかく詰めた差を広げられもしたが、勢いづくアッシュはもう止まらない。6周目の1コーナーで横に並んで、2コーナーで逆転に成功。そして、予定どおりこの周の終わりにピットイン。何も問題なく木下に、アッシュは2番手でステアリングを委ねることとなった。
レースはまだ24時間のうち1時間を終えたばかり。先はまだまだ長いが、なかなか幸先のいいオープニングになった。この調子で順調に周回を重ねてくれることだろう。