フロントアンダーパネルの破損という、予期せぬアクシデントに見舞われてから6時間半。その間にきれいな夕日がサーキットを包み、完全に陽が暮れたのはスタートから7時間半を過ぎた9時半頃だった。レースはいよいよナイトセッションに突入。それからはライトにトラブルでも起きれば、まともに走ることさえ許されぬ状況となっていた。もちろんのこと、パドックの一部を除けば、このサーキットには照明がないどころか、深い森のセクションでは何かただならぬ気配さえも感じるのだとか。
アクシデントは予想外だったが、その後の追い上げは予想どおりだった。トラブルフリーで、それぞれのドライバーは2スティントずつ安定した走行を重ね、8時間目には9番手に、そして日が改まる直前には一時的だとはいえ、6番手にまで返り咲く。その直後にルーティンのピットイン。あわせてブレーキパッドとエンジンオイルを総交換のため、やや時間を取られるも、10時間目にはひとつ順位を落としただけの7番手に。鈴木監督曰く、「ブレーキの減りがやや早いのが気になるけど、まぁまぁ順調」とのこと。
その言葉を裏づけるように、レースが折り返し地点に差しかかった午前2時には、ついに5番手にまで浮上。まだまだ上位進出の可能性があることを示唆しさえもした。
一方、トップは依然としてザクスピードのクライスラー・バイパー。ファルケン☆GT-Rとの差を3周としているだけでなく、全車を周回遅れにさえしている。果たして、この速さが最後まで保たれるのだろうか。しかし、ショイスマンは言う。「確かにバイパーの速さは別格さ。だけど、レースに絶対という言葉はあり得ない。もし、あのクルマにトラブルでも起きようものなら、僕らにも勝つチャンスは訪れるはずだよ」と。
なお、ファルケン☆GT-R同様、スーパー耐久の王者として挑んでいた三好組のRX-7は、3速ギヤを失った後、折り返し地点を前にしてミッション交換を敢行。大事に至る前の配慮だが、それまで安定した走りで20番手前後を走行していただけに残念。復活後の追い上げに期待したい。