前回のレポートのテーマが夜への突入であったのに、このレポートをお届けする18時間目は、こちらの時間で午前8時である。日本より緯度の高いせいで、夜の訪れが遅いのはすでに納得済だったが、当然のことながら朝の訪れもまた、かなり早かった。現時点で、空はスタート時点にまして澄みわたっているものの、いったん闇で空気は冷やされたため、温度はかなり低め。厚めの上着がないと、長いこと外にはいられないほどである。
さて、気になるレースの行方だが、実は上位陣に順位の変動はほとんどない。トップをバイパーそのままに、3台のポルシェが続き、そして我らがファルケン☆GT-Rといった具合で、この背後にもポルシェは続いているものの差は大きく、よほどのことがない限り、ポジションを脅かされることはないだろう。18時間目を過ぎて、間もなく木下からショイスマンへとドライバーチェンジ。もちろん、順位は動かず。
「クルマはいたって順調。何も今のところ問題はない。だけど、前との差はねぇ。神頼みだね」とは、降り立ったばかりの木下。
仕事の充実に満足しつつも、なかなか勝負の機会を与えられないことに、やや不満げな様子ではあった。
「タイヤに関するトラブルは一切ありません。その点に関しては喜ばしい限りなんですが。トップのバイパーはライバルがいない分、自分たちでペースが作れるので、何もトラブルに見舞われずにいるのでしょう。でも、まだライバルに何があるか分からないと、信じていたいですね」と横山マネージャー。これから6時間後にはゴールを迎えるとともに、最後のレポートをそれから間もなくお届けする予定である。まだ、誰も勝負を諦めてはいない。