ST1クラス 出走6台 |
#3 | 「エンドレスアドバンZ」(影山正美/青木孝行/藤井誠暢) | クラス(総合)優勝 |
#23 | 「CAR-CHANNEL アドバンZ33」(田中哲也/星野一樹/山田英二) | クラス(総合)2位 |
ST3クラス 出走12台 |
#74 | 「アラビアンオアシスZ」(小林敬一/安田裕信/菅原修一) | クラス優勝 |
#113 | 「カルラレーシング☆ings北海Z」(大井貴之/伊橋勲) | クラス3位 |
#15 | 「岡部自動車 eei A ディクセルZ」(長島正明/古谷直広/杉林健一) | クラス4位 |
#19 | 「バーディクラブ☆TC神戸Z33」(輿水敏明/加藤正将) | クラス6位 |
#41 | 「SABOTAGE Z」(塩渕誠二/吉田広樹/加納雅樹) | クラス8位 |
#333 | 「H.I.S-Z」(前嶋秀司/イゴール・スシュコ) | リタイア |
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S耐も大詰めとなる第6戦は、紅葉の美しいスポーツランドSUGOで500kmレースとして開催され、ST1クラスで#3 Zが今季5勝目を挙げてチャンピオンを獲得した。またST3クラスでは#74 Zが初優勝を決めた。
今回の参加台数は35台で、Zが参戦するST1クラスには2台のZ(380RS-C)を含み6台、ST3クラスには6台のZを含む12台が参加した。27日の予選日は朝から雨。13時30分より公式予選が始まる予定だったが、コースコンディションが悪く予選は決勝日の朝8時から行われることとなった。28日は早朝から台風一過の晴天。A、Bドライバーの予選結果の合算により、ST1クラスでは#23 Zが2位、#3 Zが3位。ST3クラスでは#113 Zが2位、#74 Zが3位、#333 Zが5位、#15 Zが6位、Bドライバーの予選でクラッシュを喫した#41 Zが10位、そしてスロットルトラブルに見舞われた#19 Zが12位となった。
135周の決勝レースは13時42分、気温19℃、路面温度26℃という秋晴れのコンディションでスタートが切られた。スタートドライバーは、ST1クラスの#23Zが田中、#3Zが影山。ST3クラスは#113 Zが伊橋、#74 Zが安田、#333 Zが前嶋、#15 Zが古谷、#41 Zが塩渕、#19 Zが輿水。
序盤からトップの#50BMW Z4が逃げ、これを#23 Zと#3Zが追う展開に。今回シリーズ2位の#8ポルシェより前でチェッカーを受ければチャンピオンが決まるということもあり、#3 Zの影山も無理はしない。しかしトップが19周目に入った周回に1コーナーでアクシデントが発生しこの車両を排除するためにセーフティカー(SC)が導入。Z勢と#50 BMW Z4との差が詰まることとなった。24周目に再スタートが切られると、またもや序盤と同じ展開となった。44周で#23 Zがピットインして星野に交代。46周で#50BMW Z4がピットインすると、#3 Zがトップに立つことになったが、#3 Zも50周でピットインして青木に交代。ピットワークも決まり#50 BMW Z4と#23Zの間でコース復帰となった。
92周でトップの#5 0BMW Z4が2回目のピットイン。#23 Zはアウトラップの#50 BMW Z4をかわし2位へ浮上し、さらに99周でピットインして勝負に出た。タイヤは左の2本のみを交換、山田がステアリングを握って#3 Zの背後でコースへ復帰。翌周クラストップの#3 Zがピットインしてタイヤを4本交換して影山に交代、丁度2回目のSCランと重なりタイミング良く#23 Zの背後でコース復帰ができた。#23 Z、#3 Z、周回遅れの2台を挟んで#50BMW Z4という状況でSCランをこなし104周終了と同時に再スタート。#23Zの山田を#3Zの影山が激しくチャージするが、山田もしっかりブロックして初優勝を目指した。そのバトルに#50 BMW Z4が迫り、110周目には2秒の間に3台がひしめくという三つ巴の優勝争いとなった。
しかし112周目のヘアピン先でバックマーカーと#50 BMW Z4が接触、コースアウトを喫するという結末で優勝争いは2台のZに絞られることとなった。#23 Zは117周目のSPコーナー1個目でブレーキをロックさせ外に膨らみ、2個目で#3 Zが逆転。そのまま影山がリードを広げてトップでチェッカー。今季5勝目を飾ると共にフェアレディZでのST1クラスチャンピオンを初めて獲得した。影山にとっては92年クラス2(ホンダ・プレリュード)以来実に15年ぶりのタイトル獲得。青木は03年クラス1(スカイラインGT-R)以来4年ぶりのタイトル奪回だった。2位に#23 ZがゴールしてZは開幕戦以来2度目の1-2フィニッシュを飾ることとなった。
ST3クラスは、クラスポールの#7 RX-7が序盤から逃げ、#333 Z、#74 Z、#15Z、#113 Zが追う展開となった。最初のSC時に#113 Zはピットインして給油のみを行い、あとは中盤にドライバー交代のためのピットを1回だけ済ます作戦に出た。タイミング悪くピットロード出口で赤信号に引っかかる形となったが、それほど多くのロスではなかった。しかしSC時に追い越しをしてしまい、ドライブスルーのペナルティを受けクラス最後尾の12位までポジションダウンを喫した。#333 ZもSC時に給油のためのスプラッシュピットインを敢行。これで#74 Zが2位、#15 Zが3位、#333 Zが4位となった。
51周でトップの#7 RX-7がピットイン。これでクラストップに浮上した#74 Zは58周でピットインして、給油のみでピットアウト。これで#333 Zがトップとなるが、65周目の1コーナーで#74 Zがインを差してトップ奪回に成功した。#333 Zは74周でピットインしてスシュコに交代し、クラス4位でコースへ復帰した。89周でトップの#74 Zがピットイン。小林に交代して#7 RX-7に続く2位でコースへ。3位に#15 Z、既に2回のピット作業を済ませた#333 Zが4位、同じく#113 Zが5位を走行していた。しかし#333 Zは96周目の最終コーナーでクラッシュ。これで2回目のSCランとなった。
このタイミングでクラストップの#7 RX-7と#15 Zが2回目のピットイン。これで#74 Zが再びトップに躍り出た。しかし#7 RX-7も#74 Zより速いペースでその差をじわりじわりと縮め、20秒ほどあった差は13秒ほどまで縮まっていった。レース終盤、最終コーナー先でアクシデントが発生して3度目のSCランとなった。この際、#74 Zと#7 RX-7の間にSCが入ったことで、#74 Zは1周近いマージンを得ることになった。これで#74 Zのトップは安泰となり、今季初優勝! 108周目に3位に浮上した#113 Zは予選の3点と15点を追加して、今回ブレーキトラブルに見舞われた#27 M3を逆転してポイントリーダーへ。15点差をつけて有利な状態で最終戦に臨むこととなった。
なお#15 Zは古谷、杉林、長島とつないで4位。#19 Zは輿水、加藤のリレーで6位、#41 Zは6位走行中の38周目にスピン、コースアウトを喫したこともあり8位にとどまった。
景山正美 #3「エンドレスアドバンZ」
(ST1クラス&総合優勝)
「最後はマー(#50BMW Z4の柳田真孝)が迫ってきてたので、あのアクシデントがなければどうなっていただろうね? 僕たちは『今日勝って決める』なんて思っていなかったけれど、レース展開がこちらに有利に転んでくるようで変な感覚でした。#23Zが左のタイヤだけ交換で勝負に出たのに、こっちはソフトのタイヤ4本に交換。それで頑張ってみたら逆転できたって感じです。でも結果的には勝ってチャンピオンを決められたのですごくうれしいですよ!」
小林敬一 #74「アラビアンオアシスZ」
(ST3クラス優勝)
「獲ったどーっ! 想像していたとおりの展開になりました。クルマもバランス良かったし。最後のSCで(#7RX-7との)間にSCが入ってくれてとても楽になりました。これまでは僕が足を引っ張り気味でしたが、2スティント行って頑張った安田に勝たしてあげられたことが良かったです」