ST1クラス 出走6台 |
#3 | 「エンドレスアドバンZ」(影山正美/青木孝行/藤井誠暢) | クラス(総合)優勝 |
#23 | 「CAR-CHANNEL アドバンZ33」(田中哲也/星野一樹/山田英二) | クラス(総合)3位 |
ST3クラス 出走16台 |
#41 | 「SABOTAGE Z」(塩渕誠二/加納雅樹/牧田克哉) | クラス2位 |
#74 | 「アラビアンオアシスZ」(小林敬一/安田裕信/菅原修一) | リタイア |
#333 | 「H.I.S-Z」(前嶋秀司/イゴール・スシュコ/山崎学) | リタイア |
#15 | 「岡部自動車 eei A ディクセルZ」(長島正明/古谷直広/小松一臣) | リタイア |
#19 | 「バーディクラブ☆TC神戸Z33」(輿水敏明/加藤正将/植田正幸) | リタイア |
#113 | 「カルラレーシング☆ings北海Z」(大井貴之/伊橋勲) | 失格 |
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後半戦に突入したS耐の第5戦は、残暑厳しい岡山国際サーキットにおいて500kmレースとして開催され、ST1クラスで#3 Zが今季4勝目を挙げて、チャンピオン獲得に王手。またST3クラスでは前回3位の#41 Zが2位表彰台を獲得した。
今回の参加台数は37台で、Zが参戦するST1クラスには2台のZ(380RS-C)を含む6台、ST3クラスには6台のZを含む16台が参加した。1日の予選日は晴れ時々曇り。気温30℃前後と一時期の猛暑に比べれば暑さはいくらかやわらいでいる。13時から行われた予選の結果、ST1クラスでは#3 Zが第2戦鈴鹿以来今季3回目のポールポジションを獲得。#23 Zもマシントラブルを抱えながらも3位につけた。ST3クラスでは#333 ZがNA車最上位のクラス3位、#113 Zが4位、#74 Zが5位、#41 Zが7位、#15 Zが8位、#19 Zが10位となった。
決勝の行われる2日も雲は多いものの晴れで、スタート直前には気温が30℃を超え路面温度は40℃を超えるなど、残暑が戻ってきた。スタートドライバーは、ST1クラスの#3 Zが影山、#23 Zが田中。ST3クラスは#333 Zが前嶋、#113 Zが大井、#74 Zが小林、#41 Zが加納、#15 Zが長島、#19 Zが輿水。13時24分、500km(135周)の決勝がスタートした。しかしアトウッドカーブにおいて、前を狙った#113 Zがオーバースピードで進入してコーナリング中の#333 Zに追突。#333 Zはハーフスピンしながらコース外側へ押し出されそこに後続がさらに追突。ストップした#113 Zにも追突した車両があった。この多重クラッシュでストップした車両は、何と#113 Z、#333 Z、#74 Z、#15 Z、#19 ZとZばかり5
台。#74 Zは特にフロントを大破していたが、何とかコースへ戻りピットインして車両の復旧作業に入った。これでセーフティカーが導入されたが、ST3クラスで残ったZは2台、しかも勝負の権利を持つZは#41 Zただ1台になってしまった。
4周終了でセーフティカーランが解除され本格的なバトルがスタート。ST1クラスの#3 Zはリスタートを決めて隊列をリード。しかし#50 BMW Z4にじわじわとその差を詰められ13周目のバックストレートで逆転を許した。#23 Zもこの周に#8ポルシェにかわされ4位となった。
46周目、最初のルーティーンピットインを行ったのは#8ポルシェ。その真後ろで走行していた#23 Zも翌周にピットインを済ませ、星野に交代した。15秒ものリードを広げていた#50 BMW Z4は50周目にピットイン。これで#3Zがトップに立ち54周目にピットイン、青木に交代した。56周、上位のラップタイムが落ち着いた時点でトップは#50 BMW Z4、33秒置いて#3 Z、さらに7秒置いて#8ポルシェ、12秒置いて#23 Zとトップ4台の間隔は広がっていた。しかしこのスティントでのZのペースはライバル勢よりも速く、さらに安定していた。71周目にまず#23 Zの星野が#8ポルシェに追いつき72周目に逆転して3位へ。そして94周目に#3 Zの青木が#50 BMW Z4に追いついた。青木はヘアピンでピタリと背後
につけてWヘアピン1個目(レッドマンコーナー)で#50 BMW Z4が膨らんだところでインをうかがいプレッシャーをかけた。さらにWヘアピン2個目(ホブスコーナー)で並びかけ立ち上がりで追い抜き、とうとうトップを奪取。#50 BMW Z4は96周でピットインしてタイヤを4本交換した。直後にピットインした#23 Zは山田に交代し、タイヤは左側の2本のみを交換し3位でコースへ復帰。
102周で#3 Zが最後のピットイン。#50 BMW Z4には90秒ほどのリードを持っているが、青木はそのままで左側のタイヤ2本を交換、#50 BMW Z4の16秒前、トップでコースへ戻った。青木はひとつのミスも許されない状況で落ち着いてハイペースで周回、しかし徐々にその差は縮まり、2台の差が10秒を切ったのは115周目、そして残り10周となった125周目にはその差は5.0秒に。130周目には2.9秒となりファイナルラップ突入時点ではその差はわずか1.8秒、そして最後は0.941秒の差でトップを守りきりゴール。今季4勝目を飾りチャンピオンに王手をかけた。
ST3クラスは、#41 Zの加納が7周目にペースの上がらないポールシッター#14 RX-7、そして#39 NSXを抜きクラス2位へ浮上し、クラストップの#7 RX-7の背後に迫った。しかし後方から#27 BMW M3が追い上げてきて、28周目のヘアピンで逆転を許すことになった。35周目、#41 Zの加納は早めにピットインして牧田に交代して8位でコースへ復帰した。ライバル勢が1回目のピットインを済ませた51周目に牧田は2位へポジションアップ。しかし57周目にはまたもやヘアピンで#27 M3に逆転を許すことになった。61周目、牧田はペースの上がらない#7 RX-7を抜き2位へ浮上。83周でピットインして塩渕に交代、追い上げを狙った。87周目に2位の#7 RX-7、90周目にトップの#27 M3が2回目のピットイン。
#27 M3とは30秒以上の差があるが、#7RX-7との差は7秒。さらに#7 RX-7はタイヤを交換していなかったこともあり、塩渕とのラップタイムは2秒ほどもあった。塩渕は99周目に#7 RX-7に追いつきピタリとマーク。さらに100周目のヘアピンでアウト側から並びかけるとパイパーコーナーで前へ出た。しかしWヘアピン2個目で少しインが開いたところで#7 RX-7に押されてスピン! しかし#7 RX-7はバンパー左を壊しており、オレンジディスク旗が振られピットでの修復を命じられた。#7 RX-7のピットインもあり#41 Zは難なく2位に返り咲き、そのままのポジションでチェッカー。前回の3位に続き2戦連続で表彰台を獲得した。なお#74 Zは10位周回中のファイナルラップでストップ。残念ながら完走扱いとはならなかった。
青木孝行 #3「エンドレスアドバンZ」
(ST1クラス&総合優勝)
「トップを守るのは厳しい、特に最後の2周はやばいと思いました。ミッションレバーが入りづらかったので左手が痙攣してしまいましたが、何とか優勝できてよかったです。今回は予選を含めて23点取れたのが大きい。次のレースも自分たちのレースをするだけですが、早くチャンピオンを決めるつもりです。いいクルマを作ってくれたチーム、そして序盤に頑張ってくれた(影山)正美さんに感謝です!」
加納政樹 #41「SABOTAGE Z」
(ST3クラス2位)
「1周目のアクシデントはイン側にクルマが詰まるだろうと思って、NSXについてアウト側を選んで行きましたが、目の前で#333Zがハーフスピンしながら横切って行ったのでギリギリ生き残れました。翌周に現場を通ったらZが5台も止まっていて、自分だけしか残っていない、やばいと思ってリスタートでは気をつけました。早めに#14 RX-7と#39 NSXを抜けたし、あまり無理はせず自分のレースができました。最後のスティントは塩渕が速いラップタイムを出して頑張ってくれました。去年からスポット参戦して2位は最高位。3位、2位と来てますから上り調子で次は優勝を狙いたいですね」