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SUPER TAIKYU 2005
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ST1クラス用フェアレディZ(Z33) type-E ST1車両解説
スカイラインGT-Rが姿を消し、昨年からポルシェ911 GT3のワンメイク状態となったS耐ST1クラス。ここへ国産車として現れたのが“ST1 Z”だった。一昨年に登場して昨年は8戦全勝という快挙を成し遂げたST3クラスのZと、どこがどう異なるのか? チェックしてみよう。
なぜST1 Zが登場したのか?
NISMOのS耐担当であるモータースポーツ企画部熊谷太郎マネージャーは「エントラントから強いリクエストがあって、それに応えたという形です。動き出したのは今年に入ってからで、2月にSTO(スーパー耐久機構)からOKが出てから製作に着手しました。それで4月末の開幕戦に何とか間に合わせたので、現場は大変でした」と語る。実際、雨の鈴鹿でシェイクダウンされたのも、開幕戦の舞台となる仙台ハイランドでテストが行われたのも4月上旬のことだった。

Copyright © NISMO 
エントラントであるエンドレススポーツの花里功代表は「うちのお客さん、そしてファンのことを考えるとレースに参戦する車両は国産車しかないんですよ。ポルシェを買える人って、そういないですよね? やっぱり自分の乗っているクルマを応援したいものじゃないですか。去年はポルシェでやっていましたが、その時からZのことを考えていて、NISMOにはずっと『Zでやろう』と投げかけていたんです。それに僕は、レースは車両もタイヤもワンメイクはダメだと思うんです。競争があって初めて車両は速くなるんです」とZのST1車両を切望した理由を熱く語った。
なぜST1クラスへ出られるのか?
S耐の車両は基本的に“市販車を改造して”製作される。JAF(日本自動車連盟)のN1(プロダクションカー)車両規定をベースに、オイルクーラーやエアロパーツの装着を認めた車両となるが、参戦車両のバラエティを増やすために例外もいくつかあり、それらは「特認車両」という扱いを受ける。2座席車両のホンダS2000、マツダRX-7なども「特認」だが、03年に登場したポルシェ911 GT3も市販価格が1000万円を超えるために「特認」扱いとなっている。

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しかしスカイラインGT-Rが製造中止となり、ST1クラス(当時はクラス1)に参戦する車両がなくなってしまう可能性があったことから、日本のポルシェカレラカップに使用されるポルシェ911 GT3クラブスポーツ(ジャパングループNバージョン)をベースに、他の改造を許さないことで、ポルシェの参戦が認められることになった。したがって現在S耐に参戦しているポルシェ911 GT3は、もともとが市販車ではなく「レース用車両」ということになる。

ST1 Zも基本的にはポルシェ911 GT3と同じ手法を取っている。市販のフェアレディZには装着されていないサスペンションパーツ、ホイール、タイヤなど取り付けた状態で“コンプリートカー”としてSTOに申請し認められた。これで、「特認」として参戦することが可能になった。エンジン排気量は3498 ccと、3501cc以上というST1規定から外れているが、「下のクラスへ移行することはできないが、上のクラスへの移行はOK」(STOスタッフ)ということで、ST1クラスへの参加となったわけだ。