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SUPER TAIKYU 2005
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SUPER TAIKYU LEAGUE SUPER TAIKYU 2005
ST1クラス用フェアレディZ(Z33) type-E ST1車両解説
パワーアップされたエンジン
ST1 ZのベースになっているのはフェアレディZ(Z33)タイプEだが、エンジン関係では5月31日まで期間限定販売された特別仕様車「35th Anniversary」用のものを使用していて、具体的には以下のとおり。
ST1 ST3
Copyright © NISMO  Copyright © NISMO 

  • 世界初の高応答、高変化角e-VTC(可変バルブタイミングコントロール)のエキゾースト側への採用
  • カム作動角の拡大
  • インテークマニフォールドのショート化/径拡大
  • ピストンリングの張力アップ
  • クランクとコンロッド接触面の鏡面仕上げ
  • コンロッドボルトの変更
  • クランクシャフトの油圧経路変更

レースカーでは、さらにチャンバー(インテークマニフォールド)の見直しを行い、さらにボリュームを大きくした。カム作動角を拡大することによりリフト量が1mm(IN側9.2mm、EX側9.19mmがIN/EXとも10.2mmに)上がることになった。また最高回転数がこれまでの7500rpmから8000romに上げられた。これで最高出力は390ps、最大トルクは410Nm(41.8kg-m)を達成した。

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なおエアフィルターはNISMOが市販しているスポーツエアフィルターを装着している。

排気系では純正オプションのエキゾーストマニフォールドに変更。フロントパイプはφ60、他のS耐車両同様ワンオフモデルであるチタン製ストレートタイプマフラーは出口がφ114となっている。

NISMOの市販品を使用した駆動系
大きな変更はトランスミッションにクロスギアを採用したことだろう。これは2〜5速に他の日産車用のギアを組み合わせたもの。一番効果的なトルクバンドを使用できるようにしたものだ。なおファイナルは4.364を採用している。

また、クラッチはNISMOのカッパーミックス、LSDもNISMOのGT L.S.D. proの2WAYを使用している。
フーガ用を流用したサスペンション
サスペンションについては前後のアクスル、ハブ、リアのアッパー&ロワアームにフーガ用のものを流用している。フーガ用のパーツがサイズ的に大きく強度の面で安心だったためだ。ただしフーガ用のパーツはサイズが大きいために加工が必要だった。なおこのフーガ用パーツを使用することでアライメントの幅も広がったという。
容量アップされたブレーキ
パワーアップされたエンジン出力を有効に使用するために、ブレーキも見直されている。容量の大きいブレーキキャリパー、ブレーキディスクに交換。フロントは6ポットでディスクはφ375、t=35(ST3は4ポット、φ355、t=32)、リアは4ポットでディスクはφ345、t=28(ST3は2ポット、φ322、t=22)。

ST1 ST3
FRONT FRONT
REAR REAR
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ポルシェと同サイズのタイヤ
タイヤはポルシェと同じサイズで、フロントが250/650、リアは280/680(ST3は前後とも245/40-18)。ホイールはフロントが18×9.5J、リアが18×11J(ST3は前後とも18×9.5J)。
なぜこのレベルの改造なのか?
熱心なZファンであれば、なぜST1 Zをターボエンジンにしなかったのか、エンジン排気量を上げなかったのか、またST1 Z専用部品を増やさなかったのかなど疑問が残るかもしれない。

ちなみにS耐の車両規定ではエンジンの排気量アップもあと付けタービンもNG。メーカー(日産)のZのラインナップにターボエンジンや排気量アップされたエンジンがあれば別だが、これはないものねだりというところだろう。

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パーツについて熊谷マネージャーは、「S耐なので、基本はスタンダードスペックだと理解しています。ですから生産品の中からパーツを選びました」と説明する。ただ日産車の純正パーツ、オプションパーツの数は非常に多く、熊谷マネージャーも「そのパーツの組み合わせが大変でした。それに組み合わせても素直にジオメトリーが出ませんし。またパーツを製造しているところで加工を頼んでも、できるところとできないところがあって、他に加工できるところを当たったりしましたから、パーツ代には加工工賃と組み立て工賃が含まれてしまうんです」と苦笑する。

ちなみにこのZのコンプリートカーは、ポルシェ911 GT3とほぼ同じ2,500万円で市販(受注生産)されており、オーダーがあれば製作されるとのことだ。