NISMOパーツの歴史 NISMO PARTS

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多くのユーザー要望に応えて エンジンチューニングメニュー展開

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 1990年代中頃から、チューニングパーツ市場に参入したNISMOは、様々な種類のストリートパーツをリリースしていた。しかし、ひとつだけ手を付けていない領域があった。

 ストリートでの使用を前提としたエンジンチューニングである。

 

 すでに1990年代初頭から、チューニングパーツ市場ではコンピュータを中心とした合法的なエンジンチューニングが一般的になっていた。とりわけターボ車であれば、ブーストアップとコンピュータチューニングで格段にパワーアップが可能。その中心に存在したのがRB26DETTを搭載した第二世代のGT-Rと、SR20DETを搭載したシルビアだった。

 とくにチューニング業界の規制緩和といわれる、1996年の車検制度の明確化と簡略化以降、マーケットは拡大。NISMOでもエンジンチューニングを展開して欲しいというユーザーやNISMO PADDOCK店(当時)からの声が大きくなっていた。

 こうした市場背景から、1996年6月頃から、エンジンチューニングの検討をスタート。日産自動車直系のNISMOが行なうアフターマーケット向けのエンジンチューニングである以上、確かな施工と施工車両の管理、品質保証が必須項目となるため、日産自動車および関連する日産グループ企業とも議論を重ねた上、以下の基本的な考え方で合意した。
 1. 保安基準を満たすこと
 2. 駆動系制動系等を含め、「車」としてNISMOが品質保証をすること
 3. 車両として仕様選定及び品質確認が充分になされていること

 2000年10月、NISMOとしては初となるエンジンチューニングメニュー「スポーツリセッティング」を発表・発売した。この時の対象車種はRB26DETTを搭載した第二世代GT-Rで、取り扱い店舗はNISMO大森ファクトリーのみであった。

 その後「スポーツリセッティング」の取扱い店舗を拡大するため、それまで全国にあったNISMO PADDOCK店を見直し、新たなNISMOショップネットワークとして、【エキスパートショップ】、【スポーツショップ】、【パートナーチョップ】という形態に2002年度より再編した。この内、「スポーツリセッティング」を扱えるのは【エキスパートショップ】と【スポーツショップ】であった。

 さらに、S-tuneコンセプトに基づいた「S1」とR-tuneコンセプトの「R1」という、より発展的なエンジンチューニングメニューを展開し、【エキスパートショップ】のみでの取り扱いを2002年4月より開始。

 「スポーツリセッティング」はその後も車種バリエーションを増やし、エンジンチューニングメニューも「S1」は「S2」に、「R1」は「R2」を経て「R3」「R4」にそれぞれ進化し現在に至っている。

 なお、取扱い店舗のNISMOショップネットワークは、2014年7月に再編され「NISMOパフォーマンスセンター(NPC)」として生まれ変わっている。

 RB26DETTを中心に展開してきたエンジンチューニングメニューだが、一般にチューニングされた車両のリセールバリューは評価されない。しかし、NISMOのエンジンチューニングメニュー施工車両は評価額が上がる傾向にあり、これはオーナーにとっては大きなメリットとなっている。

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