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FIA GT1のエンジンは1台あたり年間2基の使用制限が課される。排気量は規則で5500cc以上であることが求められるため、ベース車両が積むVR38DETT型の3.8L・V6ツインターボは載せ替えた。規則上、車重1200kg/最高出力560psと車重1250kg/最高出力600psの2つの組み合わせから選択が可能だが、重量面の実現可能性を考慮して後者を選択した。
連続する12ヵ月間に1000台以上生産された市販車両(つまり、NISSAN GT-R)の場合、同ブランドで連続する12ヵ月間に5000基以上生産されたエンジンに換装することが可能。この条件を満たすユニットとして、5.6L・V8のVK56DEを選択した。北米で販売される大型SUVのNISSANアルマーダやINFINITI QX56、ピックアップトラックのNISSANタイタンなどが積むユニットで、元来は、信頼耐久性が重視されるヘビーデューティー指向のエンジンである。
低重心化を徹底するため、オイル潤滑システムはドライサンプ式に変更。スロットルは各気筒独立式にした。信頼性を重視するベースエンジンの設計コンセプトが功を奏し、高出力化を図るに際してブロックやヘッドの補強は不要だった。
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