 |
コスト抑制の観点から、FIA GT1ではチタン製バルブやコンロッドなど、レース用エンジンでは一般的な素材の使用が禁止されているが、SUPER GTで培ったノウハウなどを投入することで、大きな困難に直面することなく目標性能を達成することに成功している。吸気リストリクター径は32.8mm×2で、29.1mm×2のSUPER GTよりひと回り大きい。
NISSAN GT-R FIA GT1車両が積むエンジンの最大の特徴は、不等間隔爆発だ。コスト抑制の一環として、FIA GT1では点火順序の変更が禁止されている。性能を向上させやすいため、SUPER GTをはじめとするレース用エンジンはシングルプレーンと呼ぶクランクシャフトを採用するのが一般的。ところが、点火順序を変更できないことが足かせとなり、FIA GT1車両が積むVK56DEはシングルプレーンに変更することができず、量産エンジンと同じ2プレーン・クランクシャフトを踏襲することになった。
その結果、等間隔爆発にはできず、不等間隔爆発となったのである。エキゾーストマニフォールドが左右非対称レイアウトなのも、不等間隔爆発ゆえ。聞き慣れたレース用エンジンとは異なる、独特で豪快な排気サウンドを奏でる。
|
 |
 |
 |
|
 |