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エンジンと共にZのボディも見えない部分で進化をしている。04Zを製作する際に大幅な軽量化を実現しているが、今年もさらに軽量化を進め、低重心化を実現している。ただし極度に軽量化をしてしまうとボディ自体の剛性が不足する結果となる。ボディ剛性とその結果としての車両全体の剛性がクルマの速さとどう関係するかは、技術的には完全に明確にはできていないが、ドライバーに与える影響は少なくない。このため剛性を維持しつつ低重心化が図れるようなボディに仕上げていく必要があり、毎年設計者は頭を痛めている。
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「ドラッグ(抵抗)を減らす」、そして「ダウンフォース(クルマを地面に押し付ける力)を増やす」。この2つの相反することを両立させるというよりも、バランスを取ることが大事。06Zを見て気が付くのは、昨年最終戦に投入された跳ね上げられたスタイルのリアフェンダー。今年はさらに手が加えられ、カナードを含むフェンダーがサイドからリアにかけて回り込むデザインとなった。これでリアの挙動が乱れた場合でも安定したダウンフォースが稼げるようになった。
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フロントフェンダーは後方ほど低くなりフィンを立たせる形状となった。このフェンダーに関しては後方の低さが異なるタイプがあり、コースによって入念な空力のチェックがなされている。フロントフェンダー後方のエキゾースト部のエアの抜き口は、昨年のものに比べかなりアグレッシブな形状となった。より多くのエアを出すことでボディ下面の空気の流れを速め、グラウンドエフェクトカーのようにダウンフォースを稼ぐという考え方だ。リアのエア抜きのスペースも広がっており、こちらも同様の考え方。
またハイスピードコースである富士用には、ロードラッグ仕様が準備されており、フロントアンダーパネルのリップ部分が短い仕様もテストされている。これはコーナー進入のブレーキング時にノーズダイブした場合でも、ダウンフォース変化を極力抑えようという考え方。フロントフェンダーやリアウイングなども形状の異なるものを装着する。
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