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スーパー耐久シリーズ2005第5戦は、夏休みの富士スピードウェイにおいて4時間レースとして開催され、尾本直史/柳田真孝組の#23 C-WEST ORCアドバンZがST3クラスで4連勝。輿水敏明/黒澤翼/菊地靖組の#19 EBBRO☆Z☆TC-KOBEが今季2回目の3位で表彰台に上った。
参加全43台のうち日産車は、ST1クラスに木下みつひろ/影山正美組の#3エンドレス アドバンZ(クラス参加6台)、ST3クラスに、#19 EBBRO☆Z☆TC-KOBE 、#23 C-WEST ORCアドバンZ(山田英二はD1参戦のため欠場し、代わって柳田真孝が出場)、小泉洋史/山路慎一組の#33イーストオーシャン・ings Z、ヒロミ小園/星野一樹組の#48フィールズT&GアドバンZの4台がエントリーした(クラス参加13台)。
公式予選が行われた6日は、薄くガスのかかった晴天で、お昼ごろには気温も30℃に達した。12時10分から30分間行われたドライバー予選では、ZのA/Bドライバーは全員が基準タイムをクリアした。
14時20分から行われたグリッド予選のころになると、気温は30℃を、路面温度も50℃を超えた。最初の20分間がST1/2/5クラスの専有走行枠だったがST1クラスの車両はほとんどコースインせず。14時40分からの20分間はST3/4クラスの専有走行枠で、#19 Zの黒澤がまず1分53秒047のタイムでこの時点で3位につけた。
15時からは全車の走行枠で、ここで#48 Zの星野と#23 Zの柳田をコースイン。しかしアタックラップに入る前の周、#23 Zはコカ・コーラコーナーでペースダウン。そのままヘアピンコーナーまで惰性で走行したもののストップした。#48 Zの星野はそのままアタックラップに入ったが、#23 Zがストップしていて追い越し禁止の黄旗が掲出されておりペースダウン。改めて翌周もアタックを再開したが黄旗は掲出され続けており、そのままタイムアップならず1分54秒342という不本意なタイムに終わった。セッション終了5分前に#33 Zの山路が1分51秒562でクラス2位に。結果、#33 Zは2位、#19 Zは6位、#48 Zは8位となったが、#23 Zのタイムは計測できなかった。
一方、ST1クラスの#3 Zは、最後の走行枠が10分を過ぎたところで影山がアタック開始。まず1分51秒119で4位につけると、渾身のアタックで1分48秒851にタイムアップして3位につけて、5台のポルシェ勢に分け入った。
7日は涼しい朝を迎え、8時から30分間行われたフリー走行で、#23 Zの柳田が1分54秒323とクラス3位のタイムをマークし、決勝レースは全43台中42番グリッド(クラス12位)からの出走が認められることになった。
決勝レースは12時45分にスタート。天候は全体に薄い雲がかかった晴れで、気温は29℃、路面温度は45℃と前日よりもやや低めとなった。予定ではST1の#3 Zが2ピットで、ST3のZでは#23 Zと#3 3Zが1ピットで#19 Zと#48 Zが2ピット。スタートドライバーは、#3 Zが影山、#19 Zが輿水、#23 Zが柳田、#33 Zが山路、#48 Zが星野となった。
#3 Zの影山は序盤、#32ポルシェと#45ポルシェを従えて3位のポジションをキープ。しかし11周目に2台のポルシェ同士が接触で脱落し、影山は単独走行となり非常に楽な走行が可能になった。ところが21周目の1コーナーで、その前のストレートで抜いた周回遅れの車両がノーブレーキ状態で#3 Zに追突し、2台はスピン。影山はすぐに復帰してピットインしたが、車両の後部は激しく損傷し、サスペンションにまでダメージが及び修復不能とされ、わずか40分でリタイアを喫することになってしまった。
いっぽうST3クラスでは、クラスポールの#15 RX-7を予選2位の#29 NSXがかわして、これを#33 Zと#19 Zが追いかける展開となった。10周目には#19 Zが2位、#33 Zが3位、そして#48 Zが5位、ほぼ最後尾スタートの#23 Zは8位まで追い上げていた。特に#48 Zから#23 ZまではNSXやRX-7を挟んでの激しいST3クラスのバトルが演じられファンを沸かせた。
20周目あたりでタイヤを磨耗した#19 Zが遅れ始め、予定より早めの25周でピットイン。黒澤に交代してタイヤはフロントの2本を交換した。レースが1時間を経過して、クラストップを走行していた#29 NSXのペースが落ちると、33周目に#33 Zの山路がこれをパスしてトップに浮上。#48 Zが3位、#23 Zが4位へポジションを上げた。40周目には#23 Zの柳田が#48 Zの星野をかわして2位に浮上。41周目には#48 Zはピットインしてフロントタイヤ2本を交換。ドライバーは星野のままでコースへ復帰した。
レース開始2時間と折り返し点を迎えたころ、ST3クラスのトップは依然#33 Zで、これに#23 Zの柳田がベストタイムを更新しながら15秒差まで詰めた。さらに#23 Zはインラップが速く、64周目に#33 Zと#23 Zが同一周回でピットインする際には、その差はわずか5秒まで縮まっていた。2台ともタイヤを4本交換。#33 Zは小泉に#23 Zは尾本に交代したが、ピットアウトはほぼ同時となった。アウトラップで#23 Zの尾本が#33 Zの小泉をかわした。さらに66周目にトップの#27 BMWがピットインすると、#48 Zがトップで、その10秒後ろに#23 Zと#33 Zがつけて、Zの1-2-3フィニッシュを予感させた。さらに5位につけていた#19 Zは75周で2回目のピットインをして菊地に交代した。
レースが2時間半を回って、トップの#48 Zが84周で2回目のピットイン。フロントタイヤ2本を交換しヒロミに交代して5位でコースへ送り出す。これで#23 Zがトップに立ち、3秒後方に#33 Z、5位が#48 Zで6位が#19 Zとなった。99周目、#33 Zが緊急ピットイン。ピットロード入り口で右フロントのタイヤ&ホイールが脱落した。これはハブのボルトが折れたためで、この修復に時間を要し残念ながらトップ争いから脱落することになった。
103周目、#19 Zの菊地が#48 Zのヒロミをかわして4位浮上。104周目にはクラス3位を走行していた#15 RX-7が1コーナーでコースアウトを喫して、これで菊地は3位に。109周目、クラス4位をキープしていた#48 Zがパワステのトラブルを抱えピットインし、ポジションを6位に落とした。
終盤、2位#83 NSXとの差を50秒以上に開いていた#23 Zは余裕のクルージング。4時間を迎えた16時45分にチェッカーフラッグが振られると、#23 Zはシリーズ4連勝を達成。#19 Zは3位、#48 Zは6位、#33 Zは8位でゴールとなった。
この結果、#23 Zはチャンピオンに王手。残り3戦で1回でも6位以上を記録するとシリーズタイトルを決定することになる。