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ニュルブルクリンク24時間
レース開幕直前情報
2001年5月26〜27日開催
2001NÜRBURGRING 24h-RENNEN

ニュルブルクリンク・サーキット
ドイツの南西部、空の玄関口であるフランクフルトからライン川沿いに西北西へ約100km行ったところがコブレンツ。その北西にあるのがアイフェル地方。このベルギーやルクセンブルクとの国境近い山中にニュルブルクリンクはある。サーキットができたのは古く、1927年(昭和2年)6月18日のこと。翌19日には初めてのイベントであるグランプリレース、ドイツGPが開催された。元々は22.8kmの北コース、7.7kmの南コースとふたつのループを持っていたが、現在は北コースが残っている。

元々、森の中の公道だったこのオールドコースは、現在1周20.832kmで、狭く、ワインディング(大きなもので左カーブ33個、右カーブ40個)して、さらにアップダウンも多く、中にはクルマが宙に浮くジャンピングポイントもある。76年まではF1 GPも開催されていたが、ニキ・ラウダ(フェラーリ)がクラッシュ炎上するという事故もあり、それ以来オールドコースでのF1開催はない。ここは希望者は誰でも有料で走ることができ、乗用車の開発テストも頻繁に行われている。つまりさまざまな路面状況がこのコース上にあるわけで、世界屈指のテクニカルサーキットということができるだろう。コースの大きなループの中にあるニュルブルク村には12世紀に建てられた城があり、今でも鐘が鳴らされている。

オールドコースの横には、近代的な設備を誇る1周4.556kmの新コースができ、現在ではF1 ヨーロッパGPの舞台となっている。ニュルブルクリンク24時間レースは、このオールドコースと新コースをつなげた1周25.359kmの"フルコース"で開催されている。

ニュルブルクリンク24時間レース
1970年に初めて開催されたツーリングカーによる24時間レースで、今年で29回目を迎える。ニュルブルクリンクでは、24時間レース以外にも500kmや1000kmといった耐久レース、さらに84時間というマラソン耐久イベントが開催されたこともあった。

出場車両はベルギーのスパ24時間と似ているが、どちらかと言えばアマチュア精神あふれる伝統イベントと言えるだろう。車両は改造範囲や排気量などで細かいクラスに区分されていて、ポルシェやバイパーといった強力なスポーツカーから、大衆車、ディーゼル車、ミニバンなど、ありとあらゆる車両がエントリーする。今年も300台を超える車両がエントリー。予選の結果、決勝に出場できる車両が決まるが、なんと予選落ちした車両も決勝を一緒に走ることができる(ただし周回にはカウントされない)のが、最大の驚きであり特徴。プロフェッショナルレーシングチームもあれば、メーカーのクラブチーム、さらには町工場のチームなど、何でもあり。参加台数、そのコース、伝統と"世界一の草レース"と呼ぶにふさわしいだろう。

これまで、BMW、フォード、ポルシェといった地元の車両が多く優勝しているが、99年にはアメリカのダッジ・バイパーが優勝。日本車はこれまでホンダ車の参加が多く、日産車は91年にグループN仕様のR32GT-R (木下隆之/ショイスマン/ウェーバー) が参加して総合15位。99年にはスーパー耐久仕様のR33GT-R(竹内浩典/ショイスマン/田中哲也/木下隆之)が総合6位でゴール。これが日本車による過去最高の記録になっている。

今年のエントリーを見ると、日産車は計5台(GT-Rが4台、サニーが1台)。もちろん総合優勝を狙うポルシェGT3RS、ダッジ・バイパー、BMW M3などの他に、ベンドリンガーを擁するホンダNSX、ナニーニ/ラリーニ/モデナ組という豪華メンバーのアルファ147など注目される車両も多い。

今年参戦するファルケンチームのGT-RはR33が1台、R34が2台の計3台。R34GT-Rはスーパー耐久仕様をベースに強力な2.8リットルのNISMOチューンエンジンを搭載。ワイドなタイヤを装着して総合優勝を狙う。99年はS耐仕様GT-R、00年はGT仕様のスープラ、2年連続の参戦経験の結論が、「S耐仕様のよく動くサスペンション+GTのパワーの合体」だった。雨の降りやすいサーキットだけに、4WDのGT-Rが活躍する可能性は高いと予想される。

ドライバー直前インタビュー

木下隆之 「ニュルとは」
「ニュルはレースで今回が7回目かな? 他にも乗用車のテストなどで何回も来ていて、500周ぐらい走っています。それでも完全には攻略できていない、奥の深いコースなんです。毎周、新しい発見があるし、毎周チャレンジしています。
サーキットは近代的なグランプリコースとオールドコースをつなげたもので、グランプリコースは今風のコースを走る醍醐味があります。オールドコースは林道を舗装したようなコースで、ジェットコースターのようなアップダウン、コーナーの連続。路面も荒れているし、世界一過酷、ドライバーにとってトップレベルのストレスが掛かるコースなんです(笑)。しかも百台以上の車両がコースにいるわけで、遅いクルマに引っかかったり、予測できないことが起きたり、とても難しいレースです。だから安全なサーキット走行に慣れた日本人ドライバーにとっては、カルチャーショックだしとても勉強になる。
オールドコースを走り終え、ピットのあるグランプリコースへ戻ってくると、ひと段落という感じでちょっとホッとしますね。そのやさしいコースを回って深呼吸して再びオールドコースへ向かうわけです。その緩急も魅力ですね。
今年のスカイラインは、計算上ではいいラップタイムを刻めそう。1発のタイムではGTにはかなわないかもしれないけど、安定したラップタイムが刻めるので上位陣も驚くでしょうね。GT-Rはドライバーにも優しく、一番疲れないクルマ。ニュルというコースに合ってますよね。だから今年は勝つつもりだし、勝ちしか狙ってません!」

長谷見昌弘 「初めてのニュル」
「最初はレースウィークに現地入りする予定だったけど、その前の土曜日だったらレンタカーでコースを走れるらしいので、早めに現地入りして走ってみます。僕は何回も外国に行ってるけど、そのサーキットがその国のどこにあるのかも知らないし、今回もそんな感じ(笑)。でも関係者からコース図は見せてもらいました。僕はこれまで事前の研究をしたことはなかったし、実際に走ってみてコースを覚えてきましたしね。今回も優秀なニュル経験者3人に任せて、本番をまともに走れればいいなと思っています。GT-Rは条件が悪くなれば有利だし、レースが楽しみですね。モンゴルラリーに比べたら、泥んこにならなくていいし、テントも張らなくていいわけでしょ? 気軽ですよ」

菊地 靖 「2回目の挑戦」
「今年(21号車で)一緒に組むドライバーは、昨年一緒のチームでしたから面識あるし、言葉は別にして何も問題ないです。しかも彼らはニュルの人たちなんで、コースのことはとてもよく知っていると言うのが心強いですね。 クルマはドイツで製作中で、NISMOからエンジンもパーツもいってるんで、44号車と同じ仕様になります。エンジニアやメカニックが早めに現地入りして万全に仕上げてくれます。GT-RはS耐エンドレスチームで乗ってましたけどR34は初めて。でも違和感全然ないです。ブレーキが良く利くようになってるし、何よりも安心感がありますね。それにタイヤも太くなっていて、とても乗りやすいし楽ですね。
ニュルのコースは楽しいけれど、慣れてちょっと気を許すと去年の僕みたいにクラッシュしちゃうから、今年は気をつけないと。3速、4速を多用するコースですから、それなりのスピード出てますし、ミスやっちゃうと大きいんですよね。目標は完走。そうすれば自然に結果が出ているでしょう。欲を出さず、編隊走行でフィニッシュしたいですね。
長谷見さんとは一緒のクルマで組みたかったですけど、せっかく同じレースに出るんですからレースに対する考え方などを教わりたいです」


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