- 2015.02.06
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NISSAN GT-R NISMO GT3、順調な滑り出し
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この日のバサーストは一日中快晴に恵まれ、日中の気温は25〜27℃前後となった。朝8時15分から最初のプラクティス走行が行われ、12時間レースに出場する全クラスの車両が一斉にコースインしていった。出走車両は、GT3クラスA(プロクラス)11台、GT3クラスB(プロ・アマクラス)18台を含む合計53台。マウントパノラマサーキットは、コース幅が狭く、マクフィラミーパーク内の山間部はエスケープゾーンがないうえにコンクリートウォールに囲まれており、コースアウトすると即マシンにダメージを受けることになる。各チームともマシンのセットアップをチェックしながら、トラフィックが混雑した状態での走行に慣れることを目的にプラクティスを走った。
ニスモアスリートグローバルチームのNISSAN GT-R NISMO GT3は2014年モデルであり、昨年の同レースを走った仕様とほぼ同等。ドライバーの千代勝正とウォルフガング・ライプは、昨年もこのコースを走っており、タイヤも前年と同じミシュランだ。つまり新たにチームに加わったフローリアン・ストラウスだけが初体験ということになる。決勝レースに向けたマシンのセットアップとタイヤや燃費のデータ収集を主目的としたプラクティスでは、千代、ライプの順に走行を行い、2回目の走行枠で初めてストラウスがマウントパノラマでステアリングを握った。このセッションで千代がこの日のベストラップタイムを記録。4時間のプラクティス走行で、GT-Rはすべてのテストメニューを消化し、合計77周を走行。トラブルやアクシデントはなく、大きなセッティング変更も行っていない。初めてこのコースを走ったストラウスは、「初めてマウントパノラマを走りましたが、想像以上にトラフィックが混雑しているので、時にはフラストレーションを感じましたが、次第に慣れていきました。クルマは全く問題なく、快適です。セッション終盤はリズムにも乗れてきたので、心配はありません」と落ち着いた様子で話していた。千代は、「クルマのキャラクターはもちろん変わっていませんが、タイヤの構造が少し変わったらしく、良い感触でした。今日はプッシュする走りはしていないのですが、明日の公式予選ではきっと昨年よりも良いタイムが出ると思います」と語り、ライプはひとこと、「昨年よりもクルマは速くなっています」と答えた。4回のセッションを通じ、NISSAN GT-R NISMO GT3のベストタイムは、総合4番手・クラス2番手につけた。
チーム代表の田中利和ニスモ常務執行役員は、「バサースト特有の赤旗によるセッション中断が何度かあったものの予定していたメニューはすべてこなしました。明日は朝のプラクティスで予選セットをチェックして、午後の予選タイムアタックに臨む予定です。三人のドライバーもミスなく、指示通り走ってくれました。特に初めてここを走るフローリアンもニッサンGTアカデミー出身者らしい適応能力の高さを示してくれました。ここまでは順調に推移していると言えるでしょう」と語っている。
バサースト12時間レース2015 プラクティス