RACING Z HISTORY

vol.1 国内レース(S30/Z432)

1969-1970

1969年12月、北米での販売を主として企画されたS30型フェアレディZが国内市場にデビューしました。先代にあたるダットサンフェアレディシリーズのライトウェイトスポーツカー的な立ち位置から一転、グランドツアラーとしての性格が特徴でしたが、国内では先代同様にモータースポーツを強く意識して、同じ年の2月にデビューしたスカイライン2000GT-Rに搭載された直列6気筒・4バルブDOHCの「S20型」エンジンを搭載する「Z432」もラインアップされました。また、Z432をベースに、FRPボンネットやアクリルガラスによる軽量化と100リットルの燃料タンクを装備しマスターバックを取り外した、レースベース仕様の「Z432R」も発売当初から準備されました。

フェアレディZの流麗な姿は大きな注目を集めた
1970.1.18
全日本鈴鹿300km
Z432 北野元

1970.4.12
レース・ド・ニッポン6時間
Z432 北野元/長谷見昌弘

Z432は、1970年1月15日に開催された全日本鈴鹿300キロレース大会で、生産台数の関係からホモロゲーションが取得できず、ポルシェ908や910、フォードGT40、いすゞ べレットR6といったレーシングカーと同じR-IIクラスでデビュー。フォードGT40と2位争いを繰り広げ、ポテンシャルの高さを見せました。結果はオイルに乗ってのコースアウトでしたが、ハンディを感じさせない走りは多くのプライベーターの心を掴むことになりました。 1970年4月12日、デビューから3戦目となるレース・ド・ニッポン6時間では、北野元/長谷見昌弘のZ432がスカイライン2000GT-Rやマツダ ファミリア ロータリークーペ、いすゞ べレットGTRなどを相手に初優勝。以降もZ432は、5月17日の富士フレッシュマンで桑島正美がスカイライン2000GT-Rを破ってプライベーターとして優勝、5月24日の全日本鈴鹿1000キロ自動車レースでは西野弘美/藤田皓ニが優勝を果たすなどの活躍を見せました。

vol.2:国内レース 1970-1978