
ベンちゃんのレース展開は私たちが描いたとおりのもので、徐々にペースをつかみ、次々と前の車をオーバーテイクしていきました。そのドライビングも、タイヤを大事にしながら、とてもジェントルでクレバーだったと思います。
次々と他の車がドライバーチェンジを行う中、23号車はそのままベンちゃんで引っ張りました。吉田エンジニアがベンちゃんにタイヤの状況を聞くと、「このままのタイヤで哲なら問題ない」とのことだったので、予定通り、タイヤ無交換の作戦で行くことにしました。
残り26周、本山さんにドライバーチェンジしてコースに戻ると、5位に上がっていました。その後GT300に引っかかり1台に抜かれはしましたが、古いタイヤでもタイムが落ちることはなく、安定したペースで走っていたので、心配はありませんでした。最終的には、ドライバーチェンジ後にコースに戻ったときと同じ5位でチェッカーを受けることができました!
この5位の6ポイントは私たちにとって、価値のある結果だと思っています。今回はエアコンを積んでいなかったのでドライバーは暑かったと思いますが、車から降りてきた本山さんは、とてもすがすがしい顔をしていました。それは、がむしゃらだった富士とは違った空気ではありましたが、NISMO全員が満足した表情でした。こんな何とも言えないような爽快感のある空気がNISMOのピットに流れたのは、すごく久しぶりなような気がします。