SUPER GT一年目の第7戦は、日本を離れたタイで開催されました。

レースの前に、僕はバンコクでタイ日産の仕事をしました。タイ日産の人たちはすごく親切で、僕が空港に着いた瞬間からとてもよくしてくれました。ヨーロッパからの長旅の後だったので、バンコクでも最上級のホテルを取っていてくれていたことが分かったときは、本当にうれしかったです。

バンコクでは、「True Channel」というテレビ局で、生放送のインタビューでSUPER GTやGTアカデミーについて話をしました。タイでは今年第1回目のGTアカデミーを開催して大成功しています。タイの最終候補者たちやメディアの人たちと一緒にGTアカデミーのTV番組の立ち上げにも参加し、最後は素晴らしい日本食レストランで締めました。

翌日は何とか観光する時間を見つけることが出来たので、バンコクでも一番重要な場所、王宮を訪れました。そこはタイの王様たちが1782年から1925年まで住んでいたところで、素晴らしい場所でした。

王宮に行った後は、チームメイトの一樹さんとニスモのスタッフに空港で落ち合い、レースが開かれるブリラムの街へ向かいました。絶対にGTアカデミーの最終選考には残れないと思われる運転手のバンに7時間も乗って行くのは大変でした。一樹さんと僕は車に酔い、ブリラムに着いてようやく車から降りたときは本当にホッとしました。

金曜日、僕たちは完成したばかりのチャーンインターナショナルサーキットに行きました。トラックウォークの時間にこの新しいサーキットを一周歩いてよく見たのですが、とても暑いし、湿度も高くて大変でした。コースは高速でテクニカルなコーナーもあって、レイアウトは気に入りました。

この日のフリープラクティスで初めてコースを走ってみましたが、まだラバーが乗っていないためグリップがとても低いことが分かりました。でも走行を重ねるうちに改善されることは分かっていましたし、実際そうなりました。

土曜日の公式練習の後、僕たちは自信を持って予選に臨みました。僕は限界までプッシュできたので、この予選はすごく楽しく感じました。今回特別参加しているタイチームのポルシェにはかないませんでしたが、彼らはハンディウェイトを積んでいないので当然です。予選2番手を得てとてもうれしかったですし、クルマのバランスも最高でした。とはいえ、まだ選んだタイヤで安定したペースで行けるように、レースに向けた最終のセットアップについてはまだデータを確認して解析する必要がありました。

そして決勝当日。最終戦のもてぎはブリラムほどGT-Rに向いたサーキットではないので、ここで頑張っていい結果を出す必要があると思っていました。一樹さんがレースをスタートし、いいペースで走行して、スティントの終わりにはトップに追いついていました。

戦略もぴたりとはまり、トップの数周後にピットに入ったので、僕がコースに出た時には僕はトップに立ちました。僕はリードを保っていましたが、GT500のクルマを先行させる時に走行ラインを外さねばならなくなり、その隙にタイチームのポルシェが僕を追い抜きました。でもポルシェはトラブルを抱えていたようなので、僕はタイヤとブレーキを保つことに集中しました。でも、背後にはBMWのヨルグ・ミュラーが虎視眈々と僕のポジションを狙っていることを十分意識していました。

とても長く感じたスティントでしたが、僕はゴールを一番に駆け抜けました。なんていい気分!エンジニアの小河原さんやチームクルーからとても感動的なメッセージを送られました。チェッカーを受けた後のウィニングラップと、一樹さんがメインストレートで僕を待っているのを見つけた時の気持ちは最高でした。僕はGT-Rから飛び出し、一樹さんとルーフに上って、勝利を祝いました。Nissan GT-R Nismo GT3にとって今季初優勝。そして2012年以来の公式戦での優勝でもあるので、ここまで努力したB-MAX NDDPチームは本当によくやったと思います。

応援してくれた皆さん、本当にありがとう!

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