ここ数週間、ぼくはまた飛行機のマイレージを増やしました。

2週間前に鈴鹿のテストのため来日したとき、一樹さんだけでなくGTアカデミーの仲間であるウォルフガング(ウォルフィー)・ライプも僕の到着を待っていてくれました。

ウォルフィーは8月末の鈴鹿1000kmに僕らのチームから出るので、そのテストに来ました。

到着した日、僕たちは特別な夕食をとりました。特別と言うのは、一樹さんがいつも通り僕と、今回はウォルフィーのケアをしてくれたのですが、丑の日に鰻を食べに連れて行ってくれたからです。丑の日は、日本ではレストランや家で鰻を食べる習慣があるのです。鈴鹿のレストランで閉店後にもかかわらず鰻を食べられたのはラッキーでした。いつも通り、「トテモオイシイ」!

レースの話に戻りますが、鈴鹿でのテストは順調で、僕たちは暑い鈴鹿1000km用のタイヤのコンパウンドと構造を選ぶべく頑張りました。僕の好きなサーキットに戻って来られてうれしかったので、コーナーの一つ一つを楽しみました。鈴鹿は高速で、コースレイアウトの流れがすごく良いのです。ドライバーにとってはチャレンジングですが、素晴らしいものです。

一樹さんがスペイン料理を好きなことが分かりましたし、その方面では僕はエキスパートなので、僕が一樹さんをスペイン料理店に連れて行くことも習慣になりました。

日本でもいくつかいい店を見つけました。テストが終わって東京に戻ってから、僕はウォルフィーをトンカツ屋さんに連れて行きました。ウォルフィーは気に入ってくれたようでした。

翌日、僕は日産本社に打ち合わせに行きました。

本社ギャラリーにはヘリテージのレースカーから最新のGT-R NISMOまで展示されていました。本社で友人に会えて嬉しかったですし、ミーティングはとても興味深いものでした。ここだけの話、ミーティング中、もしGTアカデミーで優勝していなかったら、僕は今頃どんな仕事をしていたんだろう、と考えてしまいました。MBAを学んだので、日産のマーケティング担当者と話をして勉強したことを思い出しました。

その次の日は、SUPER GTの46号車のスポンサーであるS ROADさんが主催するゴルフトーナメントに参加しました。

僕はまだあまり上手ではないのですが、僕の目標はロニーさんと本山さんに勝つことでした。でも彼らが勝ちました。打ったショットの数では僕が大幅に上回りました!

一番がっかりしたのは、ドラコンでわずか数センチ差で負けてしまったことです。僕はパワーはあるのですが、コントロールを上達させる必要があるようです。S ROADさん、楽しい一日をありがとうございました!

このあと、一樹さんと僕は日本の南の方で束の間の休日を楽しみました。

一樹さんの友達と日本でのバケーションを堪能したのですが、台風で日焼けは出来ませんでした!

第5戦富士は、決勝日に台風の予報が出ていたので、誰もが始終天気予報をチェックしていました。この週末は一樹さんのSUPER GT100戦目のレースだったので、特別な一戦でした。でも一樹さんは全然気づいておらず、ニスモファミリーやメディアがサプライズを企画していたことは知る由もありませんでした。

キッズウォークでピット前に出て来た時に、たくさんの人たちが彼を出迎えたので何が起こっているのか信じられないようでした。僕は星野監督と一緒に花とケーキを渡しました。この日はロニーさんの誕生日でもあったので、ロニーさんにもケーキと花束が贈られました。本山さんと一樹さんの手助けを受けて、ロニーさんは文字通りみんなの前でケーキを食べました。僕たちはロニーさんの顔いっぱいにケーキのクリームがついているのを見て大笑いしました。

あ、ここからは真面目な話です。僕はQ2で5番手でした。前回の富士で僕はポールポジションをとりましたが、今回はハンディウェイトの関係で難しいことは分かっていました。僕たちがJAF GTカーに続くGT3車両のトップだったことを考えれば、僕はこの結果にはハッピーです。

決勝日、台風でレースが出来ないかもしれないと思いましたが、何とかレースは出来ました。でもトリッキーなコンディションで、一樹さんが2位を走行中に赤旗がでたりもしました。

トップのスバルには太刀打ち出来そうもありませんでしたが、彼らはシリーズポイントでは僕らの後ろだったので、2位は完璧なポジションでした。雨による中断の後、グリーンフラッグが振られレースは再開。雨がまた降るとの予報だったので、チームは他車がレインタイヤに交換するためにピットインするのを待つ作戦をとりました。でも路面はちょい濡れで、乾きつつありました。僕のタイヤはソフト過ぎたため、10位まで戻すのがやっとでした。

少なくとも僕たちは貴重な1ポイントを取ることが出来ましたが、この順位にはがっかりしました。ポディウムに乗るチャンスがあったのに、戦略が上手く回りませんでした。

僕たちにはいいペースがあるので、3週間後の鈴鹿1000kmでは優勝争いが出来るよう、幸運が訪れてくれることを願っています。SUPER GTは素晴らしい経験をさせてくれますし、この調子で頑張れば結果はついて来ると思います!

これから僕は家族と短い休暇を取って、シーズン後半に向けて充電してきます。

では皆さん、鈴鹿でお会いしましょう!

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