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開発を担当したニスモ・パワートレイン開発部の稲垣健夫は、「やはりSUPER GTで鍛え上げたエンジンだったので、耐久レース用に性能開発するのは比較的容易だったと言えます。大排気量自然吸気V8エンジンという素性も、かなりアドバンテージでした」と語る。エンジンの基本部分であるシリンダーヘッド、シリンダーブロックは、規則どおり量産エンジン部品であり、更に運動系部品であるクランク、ピストン、コンロッドなどはSUPER GT用と同一で、主要部品は変更されていない。元々シーマやインフィニティQ45に搭載されている同エンジンは大排気量にも関わらず軽量設計で、各部に余裕を持たせながら高い性能を発揮するよう作られているのが、レース用VK45エンジンの強さを助けている。
一方、LMP2用に専用設計となっているインナーパーツとしては、動弁系などが上げられる。流入空気を制限するエアリストリクターサイズが異なるため、それにあわせて設計変更している。また、外観形状もカバー類などが専用設計だ。ボンネットフード内にエンジンをマウントするGT500に対し、モノコックとギアボックスの間にミッドシップマウントするLMP2では搭載方法が根本から異なっているからだ。セミストレスマウントする(エンジンブロック自体でシャシー剛性の一部を負担する)ため、マウント部分のボスを強固なものに差し替える必要もあった。
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