サスペンション
ブレーキやホイールを保持するアップライトやサスペンションアーム、サスペンションをマウントするサブフレームはレース車両専用に作り替えることが許されているが、サスペンション形式を変更することはできない。それがFIA GT1のルール。

ベース車両のサスペンション形式はフロントがダブルウィッシュボーン式、リヤはマルチリンク式だ。FIA GT1車両も基本的にこれを踏襲するが、幅広タイヤを装着するとオリジナルのフロントサスペンションではアッパーアームが物理的に成立しない。ルール上、サスペンションアームのボディ側取り付け点はオリジナル位置から半径20mmの範囲でしか動かすことはできないため、フロントに限ってはFIAに許可を得て大きく変更した。

ベース車両はアッパーAアームを高い位置に置く、いわゆる「ハイアッパー」タイプだが、FIA GT1車両はアッパーAアームの取り付け位置を低くし、ホイールの内側に収まるレイアウトに変更した。その結果、ベース車両と同じダブルウィッシュボーン式を踏襲しつつ、レーシングカーで一般的なレイアウトとなっている。
3 / 8