火を吹く鉄仮面が5年ぶりに走る!日本開催が決定したフォーミュラEも!
皆さん、こんにちは!
「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2023」の開催がいよいよ12月3日(日)に迫ってきました。MCを務めるレースアナウンサーの辻野ヒロシがNISMO FESTIVALの魅力を語るコラムの3回目。今回は今年のNISMO FESTIVALの注目どころをご紹介していきましょう。
24回目となるNISMO FESTIVALのテーマのひとつは「サステナブルなモータースポーツへの挑戦」です。皆さんもご存知の通り、自動車業界はカーボンニュートラル社会の実現に向けて100年に1度の転換期を迎えています。
もちろんモータースポーツもそれを無視することはできません。日産自動車とNISMOは電気自動車の世界選手権「フォーミュラE」に早くから参戦し、今年からは国内レースの「SUPER GT」でもGT500クラスでCNF(カーボンニュートラルフューエル)を使用してレースを戦っています。自動車の開発という側面はもちろん、モータースポーツが今後持続していくためにも絶対に必要なチャレンジを今、行っているわけです。
その代表格と言えるのが、来年春の東京開催が決定した「フォーミュラE」での活動です。今年のNISMO FESTIVALではレギュラードライバーのサッシャ・フェネストラズ選手のドライブでフォーミュラEマシンが富士スピードウェイを駆け抜けますよ。走らせるのは先代モデルの「GEN2」カーではありますが、なんとフルコースの走行となります。以前はストレートの往復走行でしたから、サーキット全域で走る姿を見ることができるのは楽しみですね。
今後、モータースポーツの主流が電気自動車ばかりになるのか、それとも内燃機関(エンジン)が残るのか、その鍵を握るのがCNF(カーボンニュートラルフューエル)を使用したレース活動です。SUPER GTのNissan Z GT500が年間ランキング2位、3位を獲得したことからも分かる通り、新たなチャレンジだったにも関わらず、特に大きなエンジントラブルもなく、GT500ならではと言える速さを披露してきました。次世代を担うマシンの共演は今回のメインイベントです。
変わらなくてはいけない時代にモータースポーツがその開発を担い、レース活動が続いていること。これは凄いことだと思うのです。歴史を振り返ると大気汚染が社会問題となった1970年代には自動車メーカーが環境に優しいクルマの開発に注力せねばならず、モータースポーツは世間の悪者にされ、自動車メーカーがモータースポーツのワークス活動から一斉に撤退してしまった時代がありました。せっかく人々の憧れの的となった自動車レースが一瞬にして消えてしまいそうになったのです。
そんな冬の時代にモータースポーツの灯火を消さずに、人々の興味を掻き立てたクルマがあります。それは「スカイライン」です。特に1969年〜73年に生産されたハイパフォーマンスモデル「スカイラインGT-R」は「羊の皮を被った狼」と表現され、流線形のヨーロピアンスポーツとは一線を画する究極のスポーツカーとして大変な人気を獲得しました。
レースでも「スカイラインGT-R」は大活躍し、初代GT-Rは当時としてはどのメーカーのクルマも太刀打ちできない強さで50勝という金字塔を打ち立てました。まさにレースでの強さで「スカイライン」という名前はブランド化していったのです。GT-Rは73年の2代目を最後にラインナップから一時外れますが、その後も「スカイライン」は若者が憧れるクルマとして認識されました。
今年は現行型「スカイライン」のNISMOパーツ装着車「スカイライン・NISMO」のリリースを記念して、NISMO FESTIVALには歴代の「スカイライン」が大集結します。その中で是非とも見て欲しいのが1980年代前半に活躍した「トミカ スカイライン ターボ」です。
6代目スカイライン(R30型=通称、鉄仮面)のスポーツモデル「RS」のボディに570馬力のレーシングエンジンを搭載した超モンスターマシンで、減速のシフトダウン時にエキゾーストから炎が噴き上がるド迫力な走りが大きな特徴です。このマシンがレースに出たのは3年ほどと僅かな期間でしたが、そのインパクトは絶大で、今も世代を超えて心を惹きつけるマシンになっています。
その「トミカ スカイライン ターボ」が5年ぶりにNISMO FESTIVALで走行します。最近は世界的に人気のドライビングシミュレーターである「グランツーリスモ7」にもこのマシンが収録され、その存在を知らなかった海外のプレイヤーたちが「SUPER GTの先祖!?」と盛り上がっているそうですよ。走る姿を滅多に見ることが出来ない貴重なマシンですから、一眼レフをお持ちの方は1コーナーかADVANコーナーあたりに陣取って、噴き上がる炎を撮影されることを強くオススメします!映え間違いなし!
さらに90年代のJTCで活躍した「カルソニックスカイライン」や20年前のスカイラインGT-R(R34)をベースにしたGT500マシン「XANAVI NISMO GT-R」など人気のレーシングカーが多数走りますので、スカイラインオーナーの方、スカイラインを所有したことがある、あるいは憧れたことがある方は必見のNISMO FESTIVALになりますよ。
そして、今後の日産のモータースポーツ活動という意味では、プレスリリースで片桐社長から「来シーズンを戦うNissan Z GT500のデモ走行も行います」とのアナウンスが。「え?変わるの!?」って感じですが、そうみたいです。Zであることは変わりませんが、高い戦闘力を発揮した2年間の成績に甘んじず、さらに進化したモデルになるということでしょう。デモ走行までするということは見た目が変わっている?など個人的には気になることがたくさん。あー、待ちきれない!
ファンの皆さんと同じく、僕もワクワクしながらNISMO FESTIVAL当日を待ちたいと思いますし、皆さんをもっとワクワクさせられるように実況アナウンスも頑張っていこうと思っています。12月3日(日)は富士スピードウェイでお会いしましょう。