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カルソニックスカイライン、総合優勝。モチュールピットワークGT−Rは2位
ザナヴィ ニスモGT−Rも5位で、スカイラインGT−Rが再び富士を席捲!!
JGTC第4戦 MALAYSIAN JGTC IN FUJI SPEEDWAY 決勝レポート
7月13日、富士スピードウェイ(静岡県)

JGTC第4戦「Malaysian JGTC in FUJI SPEEDWAY」の決勝レースは、13日午前の不安定な天候に翻弄された。朝行われたフリー走行でウェットコンディションでのセッティングを確認した各チームは、決勝レースに向けて準備を進めていたが、雨が小降りになるのと同時に霧がコースを覆い、視界は100mほどになってしまう。スタート前のウォームアップ走行が行なわれる予定の12時を過ぎても視界がクリアにはならず、グランドスタンドの観客もパドックやピットで待機するレース関係者達もただ状況の好転を待つのみであった。

レース進行が中断されたまま約1時間が経過すると、幸い霧が少しずつ上空に消えて行ったため、レースは短縮して行われると発表された。2時15分過ぎにフォーメーションラップがスタート。30周の第1レースは、20周で行われることとなった。

2時20分にレース隊列はコントロールラインを通過。JGTC異例のスプリントレースの火蓋が切って落とされた。このレース直前にコースの水ははけ、大部分でドライアスファルトが現れていた。各チームは、短時間にタイヤ選択を迫られ、慌しくタイヤ交換を行っていた。多くはインターミディエイトタイヤを選び、さらに路面が乾くと読んだチームはスリックタイヤをチョイスしたようだ。

第1レースはGT−R勢の躍進で大いに沸いた。7位スタートの#12「カルソニックスカイライン」は、井出有治が好機を逃さず、スタート直後に上位車の後ろにピタリとつけた。1周目に5位に上がると、2周目に#25スープラを捉えて4位に、さらに#35スープラをパスすると、4周目のストレートで一気にスパート。一度に2台を抜き差ってトップに躍り出た。その後は、独走態勢を敷き、2位以降との差をぐんぐんと広げた。終盤スリックタイヤを選んだ#39スープラが後方から追い上げたが、井出が作ったリードを崩すには至らず、第1レースは#12が堂々優勝を飾った。

一方、8番グリッドスタートの#23「ザナヴィ ニスモGT−R」は本山哲が好スタートを切り、スタート直後の第1コーナーでイン側から2台をパス。6位で1周目を通過した。そして2周目に5位、4周目には3位にまで上がるが、6周目に僚友の#22 GT−Rにポジションを譲り、4位で終盤までの周回を重ねた。15周目には#38スープラをパスして再び3位に上がった。そして、19周目には2位の#22とドッグファイトを繰り広げ、Aコーナー手前でついに抜き差って2位となったが、スリックタイヤで猛烈に追い上げてきた#39スープラに抜かれて、3位でチェッカーフラッグを受けた。

影山正美の#22「モチュールピットワークGT−R」は、6番グリッドからスタート。序盤は一時順位を下げたが、4周目に4位に浮上。安定した速いラップタイムで周回していた影山は、6周目にはチームメイトの#23 GT−Rの一瞬のスペースを突いて3位に。 14周目にはポールポジションの#38スープラをパスし、2位となった。しかし、19周目に本山の#23 GT−Rとのサイドバイサイドの争いの末に先行を許し、GT−R勢の1−2−3フィニッシュか、と思われたが、ファイナルラップにドライタイヤをはいた#39に抜かれて4位となった。

#12井出有治
「序盤にチャンスが来たので、トップを取れてよかった。正直あそこまで2位以下を離せるとは思っていませんでした。タイヤを壊さずいたわらないといけないので、一瞬ペースを落とそうかと考えましたが、うまくタイヤを使えていたので逃げられるだけ逃げました」

#22影山正美
「(本山とのドッグファイトについて)チームメイトなので、お互いぶつけるまではやりませんよ。最後はスリックをはいていたドミニク(#39スープラのシュワガー)にやられてしまいましたね。レコードラインはだいぶ乾いていたので、こちらは濡れている路面を探して走っていましたから・・。でも、スプリントは面白いです。良いレースだったと思います」


30周に短縮された第2レースは、4時5分にスタートした。第1レースとうって変わり、第2レースは完全なウェット。コントロールラインをクロスしたトップグループが一斉に第1コーナーになだれ込んでいった際、トップスタートした#12 GT−Rを#39スープラが抜き、レースをリードした。しかし、2周目の1コーナーでアクシデントが発生。セーフティカーが導入されて隊列は凍結されたままとなったが、8周目にレースが再開されると、#12はすぐに反撃を開始。ブノワ・トレルイエは、9周目の第1コーナーで#39スープラを抜いてレースリーダーの座を奪還した。その後、4位スタートの#22 GT−Rのリチャード・ライアンがハードプッシュで2位となると、徐々に#12との差を詰め、特にレース中盤からは2台のGT−R同士の激しいトップ争いが会場を興奮させた。しかし、トレルイエはレースリーダーのポジションを譲らずそのまま逃げ切り、#12 GT−Rの2レース完全制覇を果たした。トップは取れなかったものの、#12とほぼ同じペースで周回を重ねたライアンの#22 GT−Rは、3位以降を寄せ付けることもなく30秒以上の大差をつけて2位を確定した。30周目の#12との差は僅かに1.3秒であった。

3位で第2レースをスタートした#23 GT−Rは、SCラップ後には5位で周回。13周目に4位となり、20周目に3位の#38スープラを抜き去ると、再びGT−Rの1−2−3フォーメーションを作り出した。そして、#38との差を徐々に広げ、一時は4秒ものマージンを築いたが、24周目ころからペースが落ちて、#38を含む数台に先行を許してしまう。激しい雨とコクピット内の温度によってフロントスクリーンが曇り、視界を著しく妨げたのが原因とのこと。30周目には7位でチェッカーフラッグを受けてレースを終了した。

JGTC第4戦は、2レースそれぞれのポイントを集計して最終順位が確定。2レースとも1位でゴールしたブノワ・トレルイエ/井出有治組の#12 GT−Rが完全制覇の総合優勝を獲得した。2位には、影山正美/リチャード・ライアン組の#22 GT−Rが入り、本山哲/ミハエル・クルムの#23 GT−Rは5位となった。またしてもJGTC富士スピードウェイ戦は、GT−R勢大活躍の舞台となった。#23の本山/クルム組はシリーズポイントランキングでトップタイとなり、#22影山/ライアン組は同3位、#12のトレルイエ/井出組も同4位となった。

#12ブノワ・トレルイエ
「僕は雨のレースには自信があるんだ。でもコースアウトだけには気をつけて走りました。有治(井出)が第1レースでよい仕事をしてくれたことに感謝しています。僕はポジションをキープしただけ。今日はどうしても勝ちたかったので、とても嬉しいです。第2レースは2位でも優勝できると思っていたので、プレッシャーはなかったです」

#22リチャード・ライアン
「今日はコンディションが悪かったし、視界もひどかった。僕自身では、スタートがうまく行かなかったのですが、結果的にはそれは問題にならずに済みました。2位ポディウムの結果は望みどおりの大満足です。雨の中、日産の旗を振り続けてくれたファンの皆さんに心から感謝しています」


Rd. 4 MALAYSIAN JGTC IN FUJI SPEEDWAY
RACE RESULTS - Race 1st Heat
Sunday,13 July, 2003 FUJI SPEEDWAY [ 14:20 Start Cloudy / wet〜dry 20 Laps ]
Pos
Car Name
No.
Driver Name
Laps
1st Heat
Point
1 カルソニックスカイライン 12 井出有治 31'22"121 30
2 デンソーサードスープラGT 39 ドミニク・シュワガー -6"958 29
3 ザナヴィ ニスモ GT-R 23 本山 哲 -7"406 28
4 モチュールピットワーク GT-R 22 影山正美 -8"179 27
5 Vemac R&Dダンロップ350R 25 柴原眞介 -8"595 26
6 auセルモスープラ 38 竹内浩典 -16"404 25
7 WOODONE トムススープラ 36 エリック・コマス -17"015 24
8 ノマド ディアブロ JGT-1 88 WADA-Q -19"142 23
9 エッソウルトラフロー スープラ 1 飯田 章 -23"753 22
10 RAYBRIG NSX 100 加藤寛規 -28"551 21

RACE RESULTS - Race 2nd Heat
Sunday,13 July, 2003 FUJI SPEEDWAY [ 16:05 Start Rain / wet 30 Laps ]
Pos
Car Name
No.
Driver Name
Laps
2nd Heat
Point
1 カルソニックスカイライン 12 ブノワ・トレルイエ 1:00'33"078 30
2 モチュールピットワーク GT-R 22 リチャード・ライアン -1"341 29
3 auセルモスープラ 38 立川祐路 -44"235 28
4 エッソウルトラフロー スープラ 1 脇阪寿一 -52"835 27
5 TAKATA童夢NSX 18 道上 龍 -53"295 26
6 デンソーサードスープラGT 39 織戸 学 1'02"624 25
7 ザナヴィ ニスモ GT-R 23 ミハエル・クルム -1'05"221 24
8 WOODONE トムススープラ 36 土屋武士 -1'20"696 23
9 ARTA NSX 8 土屋圭市 -1'32"522 22
10 G'ZOX無限NSX 16 トム・コロネル -1Lap 21


RACE RESULTS
Pos
Car Name
No.
Point
1st Heat
2nd Heat
Total
1 カルソニックスカイライン 12 30 30 60
2 モチュールピットワーク GT-R 22 27 29 56
3 デンソーサードスープラGT 39 29 25 54
4 auセルモスープラ 38 25 28 53
5 ザナヴィ ニスモ GT-R 23 28 24 52
6 エッソウルトラフロー スープラ 1 22 27 49
7 WOODONE トムススープラ 36 24 23 47
8 TAKATA童夢NSX 18 19 26 45
9 ARTA NSX 8 16 22 38
10 G'ZOX無限NSX 16 17 21 38
TRACK INFORMATION
Length: 4.400km
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