SUPER GT第8戦の決勝レースのスターティンググリッドを決めるスーパーラップ(SL)は、10月14日(土)午後3時40分過ぎにGT500クラスの走行が始まり、この日のクライマックスを迎えた。気温は22度と日中の最高気温からは少し下がっていたが路面温度は依然として30度以上あり、タイムアップが難しい条件であった。
SLの第一走者は、予選1回目で10番手だった「カルソニック インパルZ」(#12)のブノワ・トレルイエ。計測ラップを3つに分けたセクタータイムでは、最初のふたつをコースアウト寸前の激しい走りで攻め、最終セクターでスライドするマシンを修正したため少しロスしたものの、午前中のタイムを僅かながら上回った。そしてこのタイムを後続車がなかなか更新できず、最終的には10台のスーパーラップ進出車の中で5番手となった。
その後NSX勢のSLは、軒並み午前中の予選タイムを上回り1分40秒台に3台が食い込む大奮闘。この白熱したアタックショーには観客も大いに盛り上がり、最終走者の「XANAVI NISMO Z」(#23)のスタートを待った。そして、本山哲がコースイン。ウォームアップラップののち計測周回となると、ピットで見守る各チーム関係者はセクタータイムを表示するモニターに釘付けとなった。コントロールラインから第1ヘアピンまでダウンヒルを下る第1セクターでは本山がトップ、そして第2ヘアピンまでのアップヒルを抜けてコース中間まで再び下って行く第2セクターも本山がトップで通過した。しかし、ツイスティなヒルクライムからホームストレートに戻る第3セクターを終えた本山のタイムは3番手。僅かに#18と#8のNSXに先行を許し、#23 Zのポールポジション獲得は叶わずであった。
#23 Z 本山哲
「うーん、精一杯でした。でも、何ひとつミスはなく、自己ベストは出せたのでドライビングそのものには悔いはないです。しかし、3番目という結果は想定外だったので、このポジションは正直言って悔しいです。明日の決勝レースは絶対に負けるわけにはいかないし、最大ポイントを取って最終戦の富士に臨むという目標を見失わないように頑張ります」
ニスモ飯嶋嘉隆監督
「#23は少し残念ですね。しかし、午前中よりも路面温度が上がっていてタイムが出しにくい状況の中、本山はベストを尽くしたと思います。また、タイムは少し落としてしまいましたが、重いクルマを引っ張って予選7位を取ったマイケル(クルム)の頑張りは、チームにとってとても価値のあることです。いずれにせよクルマもチームも調子は最高です。明日のレースはなんとしても#23を優勝に導き、#22も表彰台に上げたいと思います。オートポリスはうちだけじゃなくどのチームにとってもタイヤに厳しいコースです。明日の勝敗を分けるのは、タイヤマネジメントの良否でしょう。その点はうちのドライバー達はうまいし、迅速ピットワークと言う武器も持っています。是非明日は期待していてください」