 |
 |
Copyright © NISMO |
SUPER GTシリーズ最長となる第6戦「第35回インターナショナル ポッカ1000km」。真夏の耐久ということでサバイバルレースが予想されたが、GT300のZ勢にとっては収穫の少ないレースとなってしまった。
Zは3台とも2名のドライバーだけで乗り切る。予定どおりにいけば、4回のピットインでスタートドライバーが3回のスティント、もうひとりが2スティントを担当することになる。スタートドライバーは、前日予選3位の#13 Zが影山、予選5位の#47 Zが安田、そして予選8位の#46 Zが佐々木。13時5分に173周の決勝レースがスタート。大きな混乱もなく長距離レースはやや静かに始まったように見えた。気温30℃、路面温度55℃で晴れ。前日ほどの湿気はないものの、厚い耐火スーツを着てコクピットの中で格闘するドライバーには過酷なコンディションだ。
2周目のデグナーカーブで3位走行中の#13 Zが一瞬ダートにタイヤを落とした。1周目に4位に浮上していた#47 Zの安田が影山に追いつき3周目のシケインで前に出た。安田はなおもプッシュを続け、10周目には#19セリカを抜いて2位へ。さらにトップの#52セリカの背後にまで迫った。しかしそのころからタイヤがグリップを失って、徐々にトップとの差は離れていった。これは同じタイヤを履いた#46 Zでも同様で、佐々木は13周目に突然フラットスポットができてわずか1周でポジションを4つも落として11位へ。いっぽう#13 Zの影山は序盤ペースをつかめず5位にドロップしたが、3位車両のアクシデント、さらにはペースの落ちた#5ヴィーマックをかわして3位に復帰、徐々にレースを組み立てていった。
 |
 |
Copyright © NISMO |
20周を過ぎて#47 Zのペースが落ち、#7 RX-7、#88ランボルギーニ、#13 Zの4台による2位争いに。24周目に#13 Zが2位に上がり#47 Zは5位へ。しかし26周目には#13 Zが5位にドロップするなどバトルは激しさを増した。#46 Zは26周目にピットインして番場に交代。しかしここでパーコレーション(燃料の沸騰状態により気泡ができ燃料と混じってガス欠状態となること)の症状が起き、エンジンを冷却するなど40秒をロスしてピットアウト。これはこの後、ピットインのたびに起きることとなった。27周で#47 Zがピットインして長島に交代。#13 Zは28周でピットインして藤井に交代した。ところが右フロントのホイールがきちんとはまっておらず、藤井はピットロードの出口でマシンをストップ。メカニックが到着してきちんとホイールを装着するのに3分ほどを要してしまった。これで#13 Zは20位、#46 Zは14位、#47 Zは12位にそれぞれポジションダウン。#13 Zは特に上位進出が厳しい状況となった。
#47 Zは長島が慎重にドライブして、他の車両がピットインする間に37周目には5位、42周目には3位、そして44周目には2位までポジションを回復した。しかしトップ争いをしている車両とのラップタイムは2〜4秒の差があり、再びポジションをじわじわと落としていった。#46 Zの番場はステディなドライブを続け、じわじわとポジションアップ。さらに#13 Zの藤井も安定したペースで、ポイントの獲得できる15位以内へ順位を上げていった。
2回目のルーティーンピットは、4位の#47 Zが61周目でドライバーは安田に。これで4位に上がった#46 Zが62周目でピットインしてドライバーは佐々木に。しかしここでもパーコレーションが起きて40秒ほどを失った。そして14位の#13 Zが63周目にピットインして影山に交代した。
#47 Zの安田は81周目に3位までポジションを上げ、4位となった96周目に3回目のピットインを行い長島に交代。11位までポジションを上げた#13 Zの影山は97周目にピットインして藤井に交代した。さらに#46 Zの佐々木は6位までポジションを上げて98周目にピットイン、パーコレーションで約40秒のロスもありまたもやポジションダウンした。
 |
 |
Copyright © NISMO |
4回目のスティントはほとんどポジションに大きな変動のないものとなった。100周を超えてもZのドライバーは安定したラップタイムを刻み、大きなミスもない。#47 Zの長島は7位、#46 Zの番場は10位、さらに#13 Zの藤井は13位とそれぞれポイント獲得圏内を走行。最後のルーティーンピット、#47 Zは127周目に7位でピットインして安田に交代。#46 Zは128周目に8位でピットインして佐々木に交代した。
#13 Zの藤井はピットインが近い129周目の130Rで、ブレーキトラブルのために早めに減速した#777 MR-Sと接触して2台は激しくコースアウト。藤井は右フロントの足回りを壊してピットイン。すぐさま車両はガレージに入れられ、メカニックの懸命な修復作業が始まった。#47 Zの安田は6位、#46 Zの佐々木は8位で淡々と周回を重ねる。
時刻は18時15分を過ぎて全車に「ライトオン」の指示が出された。鈴鹿はトワイライトに包まれ、その中を各車両のヘッドライトが滲みエキゾーストノートがこだまする。18時45分、小一時間もの修復作業を終えた#13 Zがようやくピットを離れた。しかし15位との車両から10周遅れの16位までポジションを下げている。19時過ぎ、すっかり闇が濃くなった中でチェッカーフラッグが振られた。#47 Zは6位で安田が3番目のファステストストラップを記録して6点を獲得。#46 Zは予定していた7位よりひとつ下となる8位でゴール。しかしながら#13 Zは16位で予選3位の1ポイント獲得にとどまった。
安田裕信(#47「吉兆宝山 DIREZZA Z」/6位)
「前半はトップに立てるぐらい調子が良かったのですが、リアタイヤが急にグリップを失ってしまいました。自分としては抑えて走ったつもりだったのですが。次のもてぎは得意なコースなのでまたパフォーマンスを見せられるよう頑張りたいです。今回は長いレースだったにもかかわらず1回だけちょっとコースアウトしただけですし、(長島)正興さんもミスなかったし、自信が付いたレースになりました!」
佐々木孝太(#46「吉兆宝山 DIREZZA Z」/8位)
「うちのクルマだけパーコレーションが出て、ピットインのたびに40秒ずつロスしてしまいました。計3分ほどのロスがなければ表彰台も見えただけに、残念です。次のレースはウエイトも減るし、残り3戦逆転を目指して頑張ります」