SUPER GT第6戦の公式予選が行われた鈴鹿サーキットは、午後から天気が崩れるというピンポイント予報があったが、実際には曇り空・ドライコンディションのまま公式予選2回目のスタート時間を迎えた。しかし、気温は30度で湿度が80%近くあり、少し動くだけで汗が吹き出るような状況であった。
日産勢では、予選1回目にクォリファイ通過していなかった「イエローハットYMS トミカ Z」(#3)のダレン・マニングが真っ先にコースイン。
まずは基準タイムクリアを優先した。その他のZは、この20分間のセッション中にスーパーラップのためのセットアップをチェックしておかなければならず、それぞれのスタイルで「攻める」走りを試みていた。
そしていよいよスーパーラップを迎えた。第一出走の#23 Z本山がコースインしたのは午後4時35分。気温は下がらず30度のままで、路面温度も38度と1回目の予選よりも高い。条件的には午前中よりよいとは言えない中、本山は前半セクションではタイヤをゼブラ塗色の縁石に当てるアグレッシブな走りを見せ、1回目の予選タイムを0.8秒も短縮して7位となった。
次に走った「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24)は、今回性能調整でリストリクター径のサイズアップが認められ、コマスが会心のドライビングでアタック。後に走る3台よりも速いタイムを出して今季最高の予選6位を獲得した。「イエローハットYMSトミカZ」(#3)はオリベイラがタイムアタックに臨んだが、#24、#23に続く8位でスーパーラップを終了した。6番目にスタートしたクルムの「MOTUL AUTECH Z」(#22)は、前半を速いペースで回ったものの、上りストレートのセクター3は80kgのハンディウェイトが影響し、タイムロス。最終的には10番グリッドから決勝をスタートすることとなった。
最後から2番目にコースインした「カルソニック インパル Z」(#12)は、やはり前半から記録を塗り替えるペースでアタック。セクター3では若干タイムロスしたが最終セクターで大挽回を見せ、スーパータイムを叩き出した。インパルのピット、そしてニスモのピットからも歓声が湧き上がり、固唾をのんで最終ランナーの走行を見守る。しかし、#18 NSXはトレルイエのタイムを破れず、#12 Zの今季初ポールポジションが決定した。インパルの星野一義監督は、「もうドキドキしてしまって、怖くてみていられなかった。これならドライバーでいたほうがよっぽど楽ですよ。ブノワが完璧なアタックを見せてくれました。ありがとうございました」と熱血監督らしからぬコメントを語っていた。
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柿元邦彦日産系総監督
「ブノワのタイムアタックは最初からアグレッシブなので、前半でロスしないかと心配だったが、今日はまさにパーフェクトだった。#24 Zは、ヨコハマさんがZのシャシーにマッチするタイヤを作って来てくれたのが大きい、半年でこのクルマは速くなって来た。レースでもつまらないミスやエラーを避けて、上位を狙ってほしいです。日産勢としてはこのレースの予選はうまくいったと言えます」
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ニスモ飯嶋嘉孝監督
「本山の#23 Zは、昨日のドライセットに戻したらこれがあたった。タイヤと気温・路面の組み合わせも良かったようです。マイケル(クルム)車の重量+80kgは今日の最重量級だったのでさすがに後半つらかったですね」
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#23 Z 本山哲
「現状ではうまくいったと言えます。セッティングを修正してハンドリングのフィーリングは大きく変わりました。明日の決勝は前向きな姿勢で臨めます。ドライバーの息はぴったりだし、僕らのクルマは序盤から上に上がって行けるチャンスがあると思います。特別なことをせず、ミスなく走れたら表彰台が見えてくるでしょう」