鈴鹿1000kmレース決勝日の朝、恒例のフリー走行が行われた。決勝レースを想定した最後のシミュレーションテストとして、各チームとも30分間の走行枠をフルに使って各部のチェックを行う。そして、レースセットアップで刻むラップタイムは、決勝レースの安定周回に近いものとなる。また、今回は1000kmレースなので、3名のドライバーのウォームアップもこの時間帯に済ませておきたい。
今回のフリー走行でトップタイムを記録したのは、「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24)のエリック・コマス。前日の予選でも良い結果を出しており、右肩上がりにコンディションは上がっているようだ。
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チーム監督の近藤真彦は、「フリー走行は各チームとも搭載する燃料がまちまちなのでなんとも言えませんが、これまでになかった結果なので、チームにとっては自信となるし士気が上がりますよね。ドライバー達も何かをつかんだ顔つきですが、そういう時には欲が出るものなので、行き過ぎないように彼らを適度に抑えるのが僕の仕事だと思っています」と謙虚な態度。一方、スーパーラップで見事なポールポジション奪取をみせた「カルソニック インパル Z」(#12)は3番手タイムでフリー走行を終えた。
ポールを取ったブノワ・トレルイエは、記者会見で「耐久レースなので色々な面に気をつけないと。僕自身これまでクルマを受け取っては走るという経験があまりないので、前の人が乗ったクルマをいたわる走りを考えないといけないですね。とても長く大変なレースですが、みんなで頑張っていきたいと思います」と語っていた。
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本山哲がセットアップを行った「XANAVI NISMO Z」(#23)は、この時間は松田次生と井出有治中心に安定ラップのシミュレーションを行い、ベストタイムは8番手。
今回スポット参戦の井出有治は、「セパンも暑いけど、この湿度の高さは鈴鹿の夏の特徴ですよね。鈴鹿1000kmは随分前に走っただけど、Zは基本的に昨年のマシンとキャラクターは一緒だし、良いクールスーツなど快適装備も色々用意してもらっているので心配はしていないです。今回はスポット(参戦)ですけど、日産ファンの応援は本当に嬉しいです。いい結果を出して、皆さんの期待に応えたいです」とコメントした。「MOTUL AUTECH Z」(#22)もミハエル・クルムがセッションをスタートしてリチャード・ライアンに交代、そしてファビオ・カルボーンも満タンチェック走行を行った。3名の表情は明るく、セットアップ変更などは行わない様子。決勝レースへの準備は完了した。