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レース終盤、トップを走行する#46 Zの番場がGT500をパスさせる間に2位の#13 Zの藤井が急接近。さらに#13 Zは#2紫電とテールtoノーズのバトルを繰り広げており、その背後にはチャンスをうかがう#27ヴィーマックが続いていた。この4台のトップグループの中にGT500のトップ車両、#1 SC430が入ってきて、5台がダンゴ状態になってファイナルラップの馬の背に。#1 SCは#46 Zと#13 Zの間に入り前をうかがう。そして最終コーナーで#1 SCが4台の前に出ると、3位の#2紫電がわずかに#13 Zをリードして坂を上っていく。しかし#13 Zの藤井も必死にアクセルを踏み、#46 Zに続いて2位でフィニッシュ。GT300 Zが初めての1-2フィニッシュを飾った瞬間だった。トップ2台の差は0.401秒、2位と3位の差は0.034秒、トップと4位の差は0.785秒と、これまでにありえなかった“超接近戦”だった!
前日までの雨は朝までに上がり、朝のフリー走行はウェット宣言が出たもののコースは徐々に乾いて完全ドライに。ここで#46 Zがクラス2位のタイムをマーク。前日は暫定ポールからスーパーラップでまさかの予選5位とポジションダウンを喫しただけに、決勝レースでの巻き返しが期待された。
13時59分、曇り/ドライで気温24℃というコンディションの下、81周の決勝レースのスタートが切られた。スターターは予選5位の#46 Zが佐々木、予選7位の#47 Zが先日スタートしたFCJ(フォーミュラチャレンジジャパン)開幕戦を制した若手の安田、予選11位の#13 Zが影山。オープニングラップでスタートを決めた#46 Zの佐々木は3位、#13 Zの影山は8位までポジションを上げた。さらに佐々木は2周目のストレートでトップに立ち隊列をリードする。5周目には3位の車両が1コーナー先でスピン、さらに13周目のヘアピンで2位争いをしていた2台が接触&コースアウトをすると、#13 Zの影山が2位、#47 Zの安田が3位で、なんとZの1-2-3態勢が完成していた!
佐々木は序盤から飛ばし、18周目には7秒ものリードを築いた。2位と3位の差は約4秒。そしてこのZの1-2-3状態は中盤の34周目まで続き、日産ファン/Zファンを喜ばせた。この中で最初に動いたのは#47 Z。ポジションを2つ落とした36周でピットインして長島に交代。周回遅れとなる際のタイミングもあり一時は約9秒の差がついていたトップの2台は、若手ドライバーの負担を軽減させるために、佐々木、影山がスティントを引っ張る。そして2台の差が4秒まで縮まった40周目に#13Zの影山がピットイン、藤井に交代した。#46 Zの佐々木は42周でピットインして番場に交代。両チームともパーフェクトなピットワークを見せ、#46 Zは4位、#13 Zは5位で隊列に復帰。49周までにピットインを遅らせていた車両がすべてルーティーンピットを済ませると、50周目には再び#46 Zがトップ、#13 Zが5秒差の2位に。#47 Zも8位を走行していた。
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終盤の64周目、GT500車両に追い越されるタイミングもあり、トップ2台の差は3.4秒に縮まった。さらに翌周には1.5秒差まで急接近。しかし次の周には6秒の差まで広がった。ここで3位の#2紫電が#13 Zの背後に。さらには#27ヴィーマックも直後まで迫っていた。#13 Zの藤井は#2紫電に激しくチャージされバランスを乱しそうにもなるが、これをこらえてブロック。この2台の攻防は、冒頭のファイナルラップまで演じられることになったのだった。
#46 Zはチームとしては昨年のもてぎ以来、このドライバーコンビとなってからは初めての優勝で、番場はSUPER GT初優勝だった。これでランキングではドライバーズポイントで#46 Zが3位、#13 Zが6位と順位を上げ、チャンピオン争いに踏みとどまっている。また#47 Zは8位で3回目のポイントをゲットした。
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佐々木孝太
(#46「吉兆宝山 DIREZZA Z」/優勝)
「やっとこの位置に来られた。スタッフも頑張ってくれたし、いいタイヤも作ってもらえたし優勝できてホッとしました。SUGOは抜きづらいコースだし、番場のためにマージンを稼ごうとしたこともあってつらかったです。こんなにマージンをきっちり使い切ってくれるとは思いませんでしたが(笑)。富士もセパンも勝てるレースを失ってしまったのですが、今回の優勝でもう一度チャンピオンを狙えるところに来れました」
番場琢
(#46「吉兆宝山 DIREZZA Z」/優勝)
「SUPER GTは初優勝で、うれしさ半分、反省半分です。今日は先輩(佐々木)のおかげで勝てましたが、今後はマージンがなくても勝てるようになりたいです。そして“あいつはGT1年目だから”とか言われないような走りをして、早くGT500にも上がれるように頑張りたいです」
藤井誠暢
(#13「エンドレス アドバンCCI Z」/2位)
「46号車とは性能が1ランク違うので、特にストレートスピードではかなわないですね。紫電とのバトルは2位は守りたかったし、『あいつは絶対にスキを見せないヤツ』と思われるよう頑張って走りました。最終コーナーではちょっと前に行かれたのですが、全開で負けないようにしました。7月はJLMC(スポーツカー選手権)で優勝、十勝24時間で2位、そして今回と3レース全部で表彰台と調子いいんですよ」