前日の公式予選でマシンを大破し、決勝レース出場が危ぶまれた「イエローハットYMSトミカZ」(#3 横溝直輝、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、23日(日)朝のフリー走行までにマシンを修復。アクシデントによって予選不通過だったものの嘆願書を提出し、審査委員会からの指示によって、この走行枠でマシンおよびドライバーに問題がないことが証明できれば決勝レースにも出場できることとなった。
雨は前夜までに上がっていたが、路面はまだところどころ湿っている状態。上空には湿りっけをたっぷり含んだ霧が覆い、視界を遮るほどであった。朝9時から予定されていた30分間のフリー走行は、この霧のため5分ほど遅れて開始。路面コンディションはドライに向かっていたが、安全のためインターミディエイトタイヤを装着してコースインしていったマシンもあった。ニスモの「MOTUL AUTECH Z」(#22)はミハエル・クルム、「XANAVI NISMO Z」(#23)は松田次生がコースイン。「カルソニックインパルZ」(#12)はブノワ・トレルイエ、「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24)は柳田真孝がステアリングを握る。そして、#3 Zは前日クラッシュした横溝直輝がフリー走行をスタートした。
走り始めてコースは完全ドライであることが確認され、レインタイヤを装着したマシンは1周目でピットインしスリックタイヤに交換していた。SUGOラウンドのレースウィークは、金曜日からずっとウェット。各チームともスリックタイヤでの本格的なセットアップ確認はこの時間帯が初めてとなった。Zの中で最も速かったのは、1分17秒935を記録した#3 Z。修復が完璧で、決勝レースを走っても他車に迷惑をかける心配がないことをアピールした。スターティンググリッドはGT500の最後尾、15番手からレースをスタートすることとなった。その他Z各車はそれぞれ20周前後を走りきり、#23 Zは1分18秒335 (本山)が4番手タイム、#22 Zは1分18秒793(クルム)で5番手、そして#12 Zはトレルイエの出した1分19秒110が9番手タイムであった。ピンチヒッターの荒聖治が駆る#24 Zは、セッション終了間際に1分19秒961のベストタイムを記録した。
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ニスモ 飯嶋嘉隆監督
「ドライでの走行がほとんど初めてとは言え、事前テストでは十分走り込んであったし、セットアップはテストの時のままでOKのようです。うちの2台は、ベストラップもアベレージもほぼ想定の範囲内ですし、いずれもトップレベルにあると思います。決勝は4位・5位からのスタートですが、早い時間帯にさらに上位に位置を上げておき#23は優勝、#22も表彰台を目指します。今回は#23は松田がスタートを担当し、#22はいつも通りのマイケル(クルム)がスタートです」
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ハセミモータースポーツ 長谷見昌弘監督
「クルマは徹夜で直しました。組み上がったのは今朝の7時ですよ。スペアパーツをかき集めて修理したのですが、今のクルマはパーツのフィット精度が高いので、時間に間に合いさえすればちゃんと走れると確信していました。今回は最後尾スタートですが、(嘆願を認めてもらったので)他チームに迷惑をかけないように、そして手堅く走るように心がけます」