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SUPER GT第4戦「JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA」決勝レースは、6月25日(日)にセパン・インターナショナル・サーキット (マレーシア・クアラルンプール郊外、1周5.542km)で行われ、予選2位からスタートした「MOTUL AUTECH Z」(#22 ミハエル・クルム/リチャード・ライアン)が2位に入賞。また、予選4位の「カルソニックIMPUL Z」(#12 ブノワ・トレルイエ/星野一樹)が3位に入り、Zは5台中2台が表彰台、他の3台も入賞し5台全車がポイントを獲得した。この日のセパンは薄曇りから晴天へと変わり、気温は最高32度であった。観客は、3万6000人。
54周300kmの決勝レースは、ポールポジションの#8 NSXと#22 Zのトップ争いに注目が集まった。昨年のレースでもこの#8 NSXとZのバトルが繰り広げられ、レース終盤になってリチャード・ライアンが逆転優勝を果たすというドラマがあったからだ。
今年は、午後4時にフォーメーションラップがスタートし、続いて1周ののちにレースがスタートした。#22 Zのスタートドライバーはミハエル・クルムで、順位通りの#8 NSXに先行を許すものの、大きく差をつけられることなく担当周回を完了。25周目にピットで待つリチャード・ライアンにドライバー交代した。ミスのないピットワークでレースに戻った#22 Zであったが、#8 NSXがタイヤ交換2本のみでピットアウトしていたため2台の差は15秒程度となっていた。ライアンは、昨年のレースを彷彿とさせるファイトあふれるドライビングで#8 NSXを追い、周回毎にその差を詰めて行った。当初の15秒差は終盤には3秒差まで詰まり、あと数周で逆転か、と双方のピットに緊張が走った。しかし、終盤にコース上の混雑がライアンの追い上げを拒み、結局5.6秒差でフィニッシュを迎えることとなった。一方、4番グリッドからレースをスタートした#12 Zは、スタートドライバーのトレルイエが好スタートを切り、1コーナーを回った時には3位に上がっていた。その後、首位を追う#22 Zの背後につけて追い抜きのチャンスをうかがった。しかし、それは叶わず3位のまま星野一樹にドライバー交代。星野も速いペースで後半の担当周回を走りきり、3位のままチェッカーフラッグを受けた。#12 Zの3位入賞は今季初。星野にとっても初の表彰台となった。
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予選8位の「XANAVI NISMO Z」(#23 本山哲/松田次生)は、本山が1周目に「イエローハットYMS TOMICA Z」(#3 横溝直樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)を抜いて7位となると、そのまま序盤を周回し22周目に松田に交代。松田はクールスーツの不調で、暑さとも戦うこととなった。そして後半先行のSC430が2台脱落して5位となり、レースを終了し、チャンピオン争いに重要な6ポイントを獲得した。#3 Zは、ピットイン後にオリベイラが一度グラベルベッドに飛び出してひやっとしたが、大きなロスなくレースに復帰し7位となった。また、予選10位の「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24 エリック・コマス/柳田真孝)も大きなロスなくレース周回を刻み、8位でレースを終了した。
ニスモ飯嶋嘉隆監督
「悔しいです。#22はタイヤもドライバーもギリギリでした。相手もおそらく同じだと思いますが、残念ながら彼らの方がほんの少し速かったということです。後半を走ったリチャードは果敢にチャレンジしてくれましたが、#8 NSXがタイヤ2本交換のみでピットを済ませているので、その差まで埋めることはできませんでした。#23は、決勝レース前のウォームアップでアンダーステアが強いということがわかり、もう調整できないのでそのまま行かせることにしました。それでも二人が本当に良く頑張ってくれ、ウェイトを追加せずにポイントを加算できました。チャンピオンシップを戦う上で、このポイント獲得は大きいと思います」
#22ミハエル・クルム
「序盤にドリンクのブラケットが壊れて飲み物なしで走ったので、かなりしんどいレースでした。
チームが速いクルマを作ってくれたのでいい勝負になったけど、あっちのクルマも相当速いです。後半のリチャードは、去年のシーンを見るようなファイトあふれる走りを見せてくれました。こういうエキサイティングなレースは、僕らもやっていて本当に愉しいです。リチャードとは良いコンビが組めると思います。次の菅生も楽しみにしていてください」
#22リチャード・ライアン
「僕らはパーフェクトなレースをしたと思うけど、ピットアウトの時の数秒を詰め切れませんでした。終盤はトラフィックも混んでいて、もうプッシュし続けるチャンスはありませんでした。菅生には勝つつもりで臨みたいけど、マシンの挙動はハンディウェイト次第なので楽観的なことは言えません」