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SUPER GT第4戦マレーシアラウンドは、6月24日(土)に公式予選が行われた。毎年、強い日差しと高温多湿の厳しい気象条件が特徴だったセパンサーキットは、今年は気温が28度程度までにしか上がらず、上空が雲に覆われている時間が長い。金曜日に行われた練習走行では、午前中は曇り空ドライ路面だったものの、夕方4時からのセッション2回目は雨。突然の局地的な土砂降りによって、数台が次々にスピンアウトする場面もあった。
この日11時からの公式予選でも、GT300が専有走行を始めた頃は暗い雲が垂れ込め、今にも降り出しそうな天気であった。時折小雨がこぼれ落ち、誰もがGT500専有走行の間に本格的に降り出すと予想していた。しかし、その時間となると急に空が明るくなり、暗い雲は東の方向に流れて行った。このセッションで精力的に走り込んだのは、「WOODONE ADVAN KONDO Z」(#24)のエリック・コマスであった。チームの目標のひとつであるスーパーラップ進出をかけ、速いペースでタイムを削り予選10位を獲得。スーパーラップ進出を果たした。一方、前日の練習走行でトップタイムを出した「MOTUL AUTECH Z」(#22)は、予選でもミハエル・クルムがアタッカーを担当。ハンディウェイト10kgの#22 Zは予選でもトップタイムを獲得すべく果敢にプッシュしたが、アタック中に先行車に引っかかり、
わずかにタイムロス。暫定ポールポジションを逃して3位となった。そして、この好調#22を抜いて2位となったのが、セッション序盤にブノワ・トレルイエが出したタイムがクルムよりコンマ1秒速かった「カルソニックIMPUL Z」(#12)。「イエローハットYMS TOMICA Z」(#3)は、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがタイムアタックして7位に。ウェイトハンディ30kgを積んだ本山哲がアタックを担当した「XANAVI NISMO Z」(#23)は、8位で公式予選1回目を終えた。これによって、5台体制となった今年のSUPER GT開幕戦以来4戦目にしてはじめて、Z勢全5台が揃ってスーパーラップに進出することとなった。
本山哲は、「ここまでは悪くないです。セパン特有のレースコンディションを想定してハード目のタイヤをチョイスしているので一発のタイムアタックには厳しいが、レースが暑くなれば結構行けると思う。スーパーラップは雨かもしれないけど、ここで雨というのも悪い組み合わせではないでしょう」と落ち着いた様子。久しぶりにチームに戻ったリチャード・ライアンは、決勝を想定したラップでも安定的に速いタイムを連発。調子を聞くと、ウィンクし「プリティ・グッド!!(非常に良い)」とひとこと。チームの雰囲気はとても良い。
ニスモ 飯嶋嘉隆監督
「スーパーラップにZが5台とも進出できて良かったです。テストで集めたデータがきちんと反映できた証拠だと言えます。天気はスーパーラップもレースも雨の可能性もありますが、日産のドライバーは皆安定して速いのでうまくやってくれるでしよう。リチャードがチームに帰って来ましたが、マイケル(クルム)との相性が非常に良いですね。ドライビングスタイルが近いこともあり、お互いの意見を尊重し、話し合いでセッティングを決めたりしています。タイムも両者とも速く、安定的なのが頼もしいですね。#23ともども明日は是非注目してください」
KONDOレーシング 近藤真彦監督
「スーパーラップ進出だけが目標ではありませんが、確実に言えることはエリックを中心にチームが非常にポジティブな雰囲気になっていることです。Zと横浜タイヤの組み合わせはこれまでデータがなく、今年一年かけてデータを集め、なるべく近い将来勝負したいと考えていましたが、予想以上のスピートでシャシーのセットアップ、タイヤへのフィードバックが出来ていると実感します。あきらめずにチャレンジし続けるチームであり続けたいと思っていますので、今、チームの雰囲気は非常に良いです」