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決勝レース日の6月25日(日)朝、午前11時から45分間にわたり、SUPER GT全出場車35台によるフリー走行が行われた。天気は、前日までよりも明るい薄曇りで、気温は走行開始時に30度であった。路面温度も34度で始まり、セッション終了間際には36度ほどに上がってきた。やっとセパンらしい天気が戻って来た、という印象だった。
このままの天気が維持すると、決勝は例年通りのタフなレースとなる予想されるし、一方レース前に雨が降って昨日のように気温が下がることもある。または、雨のままレインコンディションという可能性も残されている。従って各チームは、あらゆる状況を想定した状態に合わせた準備をしておかなければならず、このフリー走行を有効に使いたいところだ。
フリー走行での日産勢は、まずは最初のドライバーが続けてある程度の距離を走り、その後次のドライバーに交代したりタイヤの皮むきを行うなど、決勝レースの準備に当てることとなった。
通常このフリー走行は30分間のスケジュールで行われるが、今回はサーキットサファリのバスがコースに入ることになっていため、45分間に延長されていた。予選2位の「MOTUL AUTECH Z」(#22)は、ミハエル・クルムがタイヤの様子を見ながら前半を走行し、後半のタイヤ準備などをリチャード・ライアンに託した。一方、ハード目のタイヤをセレクトしたため、予選では「速さ」の面では地味な存在であった「XANAVI NISMO Z」(#23)は、ようやく自分達の想定したコンディションに近づいて来たという様子だ。このセッション開始後、いち早くコースインしていった本山哲が7周走ってピットイン。松田次生にステアリングを渡した。松田は、2セットのタイヤを皮むきしたのち、数周を連続して走った。#23のフリー走行順位は、5番手。タイム的に日産勢の最上位だったのは、「イエローハットYMS TOMICA Z」(#3横溝直樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)で、セッション後半を受け持ったオリベイラが終盤に3番手タイムを出した。
松田は、「このコンディションを想定して金曜日からマシンをセットアップして来たので、やっとクルマに路面が合って来たという感じです。レースはもっと暑くてもいいですね。スタート後は順位を上げて行って、後半さらに追い上げるという攻めのレースがしたいです。実は僕自身は暑いレースは嫌いじゃないんです。いつも厚着してランニングマシンにのるなど、暑さに負けないトレーニングをしていますし、自信はあります。今年は鈴鹿1000kmレースもあるので、どんなことをやったら効果的か、レース前の点滴も含めて色々試してみようと思っています」と語った。
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#22 Zのリチャード・ライアンは、地元の記者達とのブリーフィングで、「セパン戦は、ドライバーに取って非常にタフなレース。コクピットの温度は60度を超えることもある。だが、クールスーツ、ドリンクボトルや送風ファンなどが用意されているので、それらが正常に機能していれば暑さ対策は万全だ。去年もこのチームだったし、クルマも基本的には同じZ。今シーズンは途中からの合流ですが、戸惑うことは何もありません。マイケル(クルム)とのコンビは非常にスムーズで、同じヨーロッパ出身ということで考え方も近いし、とってもやりやすいですね。Zと僕らドライバーのパッケージは、ここではトップ3圏内に入れるポテンシャルをもっていると思うし、チャンスがあればトップでゴールしたいです」
ニスモ飯嶋嘉隆監督
「準備は完了ですね。#23のほうは、昨日のセッション後ダンパーユニットを交換しており、サスペンションはよりしなやかとなり、速いコーナリングが可能となりました。フレッシュタイヤでなくても2分1秒台が無理なく出せます。気候だけでなく、レースで使うタイヤにシャシーもマッチしてきました。#22も昨日から好調を維持しています。ここで54周300kmという距離は結構長いですが、良い結果を期待していただいて結構です。今季初優勝をここで達成したいです。レーススタートは、いつも通り#22がクルム、#23は本山の予定です」