Friday, May 10, 2002
ニュルブルクリンク24時間
日本人ニュルマイスターのひとり
木下隆之、ニュル挑戦を語る
2002NÜRBURGRING 24h-RENNEN

 今年、ファルケンモータースポーツからニュルブルクリンク24時間にチャレンジするドライバーラインナップは、ローランド・アッシュ、ダーク・ショイスマン、田中哲也、そして木下隆之のカルテット。
 チームの核となるのは、地元のベテランでニュルを知り尽くしているアッシュ。加えて隣のベルギー人ながら、ニッサンのテストドライバーを経てニュル走行経験が豊富な長身のショイスマン。JGTC、S耐とふたつのカテゴリーでGT-Rをドライブする唯一のドライバーである田中。そして4年連続このチームからニュルに参戦している木下という布陣は強力だ。
 今年は他にもS耐仕様のRX-7で、大井貴之/三好正己/日下部保雄/桂伸一というジャーナリストドライバーが参加することになっているが、彼らを加えても日本人ドライバーの中で最もニュルを知るドライバーが木下ということになる。一般乗用車による走行とレース周回を足して500周以上、ニュルを走りこんだドライバーは、なかなかいない。他に挙げれば、黒沢元治氏、清水和夫氏らベテランドライバーぐらいだろうか。
 そんな木下隆之選手に今年のニュルに賭ける意気込みを聞いた。


「今年のニュルもバイパーやポルシェが速いだろうね。ラップタイムも瞬間スピードもかなわないね。特に地元のチーム(ザクスピードなど)なんかは、是が非でも勝ちたいだろうし、彼らに勝つのは難しいことだよね。でも、オレは日本人としてはニュルを知り尽くしているわけだけど、S耐+αのGT-Rでのチャレンジは、ノーチャンスな勝負に挑むというわけじゃないと思う。ライバルにトラブルが起きることだってあるし、天候が変わったりすると、こっちにもチャンスはあると思うね。
ニュルというコースはタフだし、クルマのいろんな部分に想像以上の負担が掛かる。それに200台以上のレースカーが走っているわけだから、予期せぬアクシデントに巻き込まれる可能性だってある。もし雨がポツ、ポツと落ちてきたら一気に(雨が本降りになって)来るからすぐに減速しないと、スリップ、スピンしてしまうし。その点、GT-Rは4WDだし心強いね。ちょい濡れの状態で他のチームがレインに換えようかってときでも、スリックタイヤのままでもそこそこ走れるし。雨が強くなってもマシンコントロールは有利だしね。
確かにニュルの壁は厚い。決して甘くないことは分かっている。だからこそ挑戦するわけですよ。今のGT-R(90年以降の第2世代GT-R)は、このニュルで生まれ育ってそしてその最終モデルには「ニュル」という名前まで付いたんだし。その卒業テストを受けるわけでしょ? オレもGT-R同様、ニュルにこだわってR32からR33、R34と3モデルのGT-Rでニュルに参戦できたわけだから幸せだよね。スパ24時間では優勝してるわけだし、ニュルでもクラス優勝、いや総合優勝を狙って走りたい。去年はトラブルもあったわけだけど、その借りを返さなきゃいけないと思ってる」


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