ニュルブルクリンク24時間
R34 スカイラインGT-R ニュル24時間に2度目の挑戦
4月のレースにテスト参戦し準備は着々
2002NÜRBURGRING 24h-RENNEN
6月1〜2日に行われるニュルブルクリンク24時間レースに、昨年に続きR34GT-Rが参戦する。これはファルケンモータースポーツが99年からチャレンジしているもので、これまでは99年にR33GT-R(S耐)、00年にスープラ(GT)、01年にR34GT-R(S耐+α)で参加している。
昨年は長谷見昌弘を迎え、S耐GT-RにNISMOのZ-tuneエンジンを搭載しワイドタイヤを履いたニュルスペシャルスペックで総合優勝を目指したが、残念ながら決勝序盤にエンジントラブルのため順位を大きく落とした。
ニュルブルクリンクは山中の公道のようなコーナー、アップダウンが多いコースで、路面も非常にバンピーなので、上位に食い込むためにはGT並みのパワーと良く動くサスペンションが必要になる。したがってサスペンションストロークの多いS耐用GT-Rをベースに、Z-tuneエンジンを搭載。そして昨年の反省を元に、フロントサスのジオメトリーを変え、フロントハブを強化し、ブレーキローターは大径化、キャリパーもAPの6ポットに変更した。
ニュルでは北(オールド)コースを使用する耐久レースを年に10回開催しているが、ファルケンモータースポーツでは、今後のタイヤ開発のことを考え4月6日のレースにテストを兼ねて参戦。コースは北コースにグランプリコースのピットを加えた変則的なもの。北コースからGPコースに入ってきた車両はピットロード出口のところでUターンしてピットロードを逆走し、ショートカットを使って北コースへ戻るという、日本ではまず考えられないような使い方をした。
今回のテストの前には昨年末と今年1月にTIで6時間ずつ(1500km)ほどを走破。そして今回は実戦に参加しながらの確認テストとなった。参加したドライバーは昨年同様、ローランド・アッシュ、ダーク・ショイスマン、そして3年ぶりのニュルとなる田中哲也。持ち込まれたタイヤは5〜6種類で、ベストセッティングを探し出すのが今回のテストの目的だ。
167台が参加した予選はアッシュが1周しただけで終了。7分38秒293のタイムで総合7番手となった。予選中もセッティングを変えながらベストを模索。そして天気は晴れだが、気温は低く肌寒い中、3時間半(当初は4時間の予定だった)の耐久レースが始まった。アッシュがスタートを担当した序盤、昨年のウィナーである地元ザクスピードのバイパーがミッショントラブルでリタイア。アッシュからショイスマンに交代する際には、ドライビングフィーリングを聞きセッティングを修正したり別スペックのタイヤに交換した。またショイスマンから田中に交代するときもセッティングを修正するなど、徐々にニュル用セッティングのスイートスポットを見つけ出していった。
最後はアッシュがドライブして結果は8位/クラス優勝。ベストラップのタイムを見れば3位に入っていなければならないものだが、今回の目的はあくまでも6月に向けてのデータ収集。チームは大きな手応えを手にレースを終了した。
■鈴木哲雄監督
「最高速も去年に比べて4〜5km/h速くなったし、収獲のあるいいテストでした。予選でやりきれなかったタイヤのテストやロングもできましたし、セッティングもずいぶん良くなりました。これからまだ強度や耐久性で見直している部分がありますから、そこらへんを改良すればもう少しタイムは伸びるし、結果も残ると思います。総合優勝は正直に言って難しいと思いますよ。でも、天気が変わったり上位陣にトラブルがないとも限りませんから。既にテストで2500kmも走っているし、今年は楽しみですね!」
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