現在、日産高級車ラインアップの主力エンジンとなっているVQエンジンは、V型レイアウトの長所を活かした軽量、コンパクト、高出力エンジンである。フリクションロスが少なく、燃焼効率が高く、また耐久性に優れることから、モータースポーツ用エンジンとしても注目されている。
海外では、すでにスペインを中心としたシリーズ戦として隆盛を誇っているオープンテレフォニカシリーズ(ワンメイクフォーミュラ)がVQ30(410ps仕様)の採用を決定し、本年から本格稼動する。先般開催された米国のデイトナ24時間レースでは、VQエンジン搭載車が4台出場し、クラス1-2フィニッシュを飾っているほか、ル・マン24時間レースでも既に採用され好成績を残している。
また、本年のパリ・ダカールラリー出場車両であるニッサン・ピックアップにもVQエンジン(3.5リッター)が搭載され、序盤に総合トップを走るなど活躍を見せた。
ニスモでは、この素性の良いVQエンジンを国内モータースポーツの最高峰イベントである全日本GT選手権にRB26の性能・信頼性を上回ることが確認された時点でターボチャージャー付で投入する。VQ NAエンジンの開発にも既に着手しており、ニスモは広く世界を視野に入れてこのVQエンジンがフォーミュラを含むレースのあらゆるカテゴリーで使われるよう技術開発を継続していく。
また、ニスモではレース以外の分野でもモータースポーツで培ったエンジンチューニングのノウハウを生かしてロードカー用エンジンのチューニングメニューを提供しており、RB26、SR20エンジン搭載車ユーザーから高い評価を得ている。VQエンジンは新型スカイライン、ステージアを始め今夏発売予定の新型Zにも搭載されるエンジンであり、今後のエンジンビジネスの主力エンジンと位置づけ、ストリート用エンジンチューニングメニュー早期投入に向け積極的に取り組んでいる。